3. 働き続ける高齢者を支える雇用保険の給付

高年齢雇用継続給付とは、60歳時点の賃金と比べて、その後の賃金が75%未満に低下した場合に、低下した割合に応じて支給される給付金です。

高年齢雇用継続給付には2つの種類があり、「高年齢雇用継続基本給付金」と、その次に説明する「高年齢再就職給付金」があります。

60歳以降の働き方が「継続雇用」なのか、「離職後の再就職」なのかによって、適用される給付金が分かれます。

3.1 高年齢雇用継続基本給付金

高年齢雇用継続基本給付金は、雇用保険の「高年齢雇用継続給付」という制度に含まれる給付金で、60歳以降も同じ会社で働き続けている人が対象となります。

支給額は賃金の低下率に応じて決まり、最大で各月の賃金の10%(※)が上乗せされます。賃金が下がってもすぐに生活費を切り詰める必要がないよう、収入を補う目的で設けられています。

この給付金も、条件を満たせば自動的に支給されるわけではなく、原則として事業主を通じてハローワークに申請する必要があります。

手続きをしていない場合は支給されないので、定年後に継続雇用で働いている人は、自分が対象になっていないか、一度確認しておくとよいでしょう。

3.2 高年齢再就職給付金

高年齢再就職給付金は、60歳以降にいったん離職し、失業手当(基本手当)を受給した後に再就職した人が対象となります。

再就職後の賃金が、60歳時点の賃金と比べて75%未満に下がった場合に、賃金の低下割合に応じた給付が受けられます。給付の考え方は高年齢雇用継続基本給付金と同様で、賃金の減少分を一定程度補う仕組みです。

この給付金は再就職手当と同時に受け取ることはできず、受給が決定すると変更や取り消しはできません。どちらを選択するか慎重に検討する必要があるので、注意が必要です。

※補足:令和7年4月1日以降より、一定の条件を満たす方に関しては支給率が変更

令和7年4月1日以降に受給資格を満たす方(60歳に達し、被保険者期間が5年以上ある方)に関しては、支給率が15%から10%に変更になっています。