2025年12月16日、2025年度の補正予算が成立し、政府の経済対策が本格的に始動します。
一般会計の総額は18兆3034億円にのぼり、物価高騰に直面する子育て世帯を支援するための施策も含まれています。
この補正予算の成立により、高市早苗首相が主導する「経済対策」が具体的に動き出します。
特に注目されるのが「子ども1人あたり2万円の現金給付」です。物価高が家計を圧迫する中、迅速な対応が期待されています。
この記事では、子ども1人あたり2万円の現金給付について、対象者や支給方法など、現時点で公表されている情報を分かりやすく解説します。
1. 【物価高対応子育て応援手当】子ども1人あたり2万円の現金給付
子ども1人につき2万円の現金給付が正式に決まりました。この施策は、物価高騰で特に家計への打撃が大きい子育て世帯を支援する目的で設けられ、「物価高対応子育て応援手当」という名称で呼ばれています。
1.1 「物価高対応子育て応援手当」の概要
- 事業の目的:物価高の長期化による影響が広がる中、特に影響の大きい子育て世帯を強力に支援するため、「物価高対応子育て応援手当」を支給します。
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支給対象者:令和7年9月30日時点で児童手当の支給対象となっている子どもを養育する保護者などです(対象児童数は約1780万人)。
※令和7年10月1日から令和8年3月31日までに誕生する新生児も対象に含まれます。 - 給付額:0歳から高校生年代までの子ども1人につき2万円です。
- 実施主体:令和7年9月30日時点における児童手当受給者の住所がある市区町村です。
この給付金は、児童手当を受け取っている口座を活用したプッシュ型で支給されるため、原則として申請手続きは不要です。
児童手当の振込口座に、対象の子ども1人あたり2万円が自動的に振り込まれる仕組みです。
ただし、一部申請が必要となる場合も考えられますので、詳細についてはお住まいの市区町村からの公式な案内をご確認ください。
2. 【物価高対応子育て応援手当】2025年12月に支給開始とする自治体も!
物価高対策を盛り込んだ2025年度の補正予算は12月16日に成立し、これを受けて経済対策が本格化します。
「子ども1人あたり2万円の現金給付」は各自治体が実施主体となるため、今後、自治体ごとに補正予算が組まれ、給付に向けた事務手続きが進められます。
2025年12月17日時点では、多くの自治体が「詳細が決まり次第公表する」としていますが、中には具体的なスケジュールを発表しているところもあります。
- 愛知県みよし市:令和7(2025)年12月中を予定(12月10日時点の情報)
- 東京都江戸川区:「支給のお知らせ」の初回発送を令和8年1月27日、支給日を2月12日と予定(12月13日時点の情報)
- 大阪府大阪市:令和8年3月31日までの初回支給を目指して調整中(12月11日時点の情報)
今後、各自治体から支給スケジュールや詳細な手続きについて発表がある見込みです。お住まいの市区町村からの情報を確認しましょう。
3. 2万円給付だけじゃない!物価高対策「家計支援」は他にも!
政府が決定した総合経済対策は以下の3つの柱に分けられます。
- 第1の柱:生活の安全保障・物価高への対応
- 第2の柱:危機管理投資・成長投資による強い経済の実現
- 第3の柱:防衛力と外交力の強化
本章では、このうち特にわたしたち国民の暮らしに直接的な影響がある「第1の柱:生活の安全保障・物価高への対応」について詳しく見ていきます。
「第1の柱:生活の安全保障・物価高への対応」に含まれる家計向けの具体的な支援策は以下の通り。
3.1 ガソリンの暫定税率廃止(1世帯あたり年間1万2000円程度の負担軽減)
ガソリン暫定税率(25.1円)を廃止することにより、1世帯あたり平均で年間約1万2000円程度の負担軽減となる見込み
3.2 電気・ガス代支援(3カ月間で7000円程度の負担軽減)
・1月から3月までの電気・ガス代支援により、3か月間で7000円程度の負担軽減となる見込み
・具体的な1kWhあたりの支援額は、1月と2月が▲4.5円、3月が▲1.5円
3.3 所得減税(納税者1人あたり2~4万円程度の減税)
・基礎控除の引き上げ等を含む所得減税により、納税者1人あたり2〜4万円程度の減税を予定
・この措置には、「所得税 年収の壁見直し」も含まれる
3.4 重点支援地方交付金の拡充(1世帯あたり1万円程度+1人3000円相当の特別加算)
・この交付金のうち、家計支援枠は1世帯あたり平均1万円程度の支援
・加えて、食品価格高騰を踏まえ、1人3000円相当(4人家族で1万2000円相当)が別枠で特別加算
・灯油支援等、実際の支援内容は自治体ごとに決定
3.5 物価高対応子育て応援手当(子ども1人あたり2万円)
・物価高の影響を強く受けている子育て世帯に対し、子ども1人あたり2万円を支給
さて、「物価高対応子育て応援手当」は子育て世帯の支援を目的としており、所得額による制限はありません。
これまでの現金給付では「住民税非課税世帯」が対象となるケースが多く見られましたが、今回は住民税が課税されている世帯も給付の対象となります。
住民税非課税世帯に対しては、こうした臨時給付以外にも様々な優遇措置が設けられています。国や市区町村の公式サイトなどで確認してみるのもよいでしょう。
次章では、どのような場合に「住民税非課税世帯」となるのか、その基準について解説します。
4. 給付金の対象にも関わる「住民税」の基本
まず、住民税がどのような仕組みになっているのか、基本的な点を確認しておきましょう。
住民税は、所得に応じて課税される「所得割」と、所得にかかわらず一律で課される「均等割」の合計額で構成されています。

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出典:総務省「個人住民税」
この税金は、住んでいる地域の行政サービスを維持するために、都道府県や市区町村へ納める地方税です。
所得が一定の基準を下回るなどの理由で、「所得割」と「均等割」の両方が課税されない状態を「住民税非課税」と呼びます。
さらに、世帯の全員が住民税非課税である場合、その世帯は「住民税非課税世帯」として扱われ、国民年金保険料や国民健康保険料の減免など、様々な優遇措置や公的支援の対象となります(※)。
※「住民税の所得割のみ非課税」という区分も存在します。ただし、給付金などの対象になるかは自治体によって基準が異なるため、お住まいの市区町村の情報を必ずご確認ください。
4.1 住民税が非課税になる3つのケース
住民税が非課税となるのは、以下のいずれかの条件に当てはまる場合です。
- 生活保護法による生活扶助を受けている
- 障害者、未成年者、寡婦(夫)、ひとり親のいずれかに該当し、前年の合計所得金額が135万円以下である
- 前年の合計所得金額が、各市区町村が定める基準額を下回る
1と2の条件は全国共通ですが、3の所得に関する基準は市区町村ごとに異なります。
5. 住民税非課税世帯の所得基準は?札幌市の例で解説
「住民税非課税世帯」に該当するための所得や収入のボーダーラインについて、札幌市のケースを例に見ていきましょう。
5.1 【札幌市の例】住民税非課税となる所得のボーダーライン
- 扶養親族がいない方:45万円
- 扶養親族がいる方:35万円 × 家族の人数(本人 + 同一生計配偶者 + 扶養親族の数) + 31万円
「所得」とは、収入から必要経費や各種控除を差し引いた後の金額を指します。人によっては、収入額で考えた方がイメージしやすいかもしれません。
6. 住民税非課税世帯の収入目安を札幌市の例で確認
住民税が非課税となる限度額は、収入の額面だけでなく、収入の種類(給与か年金かなど)や扶養している親族の数によって変わります。
ここでは札幌市の例を基に、「住民税が非課税となる所得基準」と、それに対応する収入金額を、扶養親族が「いない場合」「1人いる場合」「2人いる場合」で比較してみましょう。
扶養親族なし
- 非課税となる合計所得金額(※):45万円
- 給与収入のみの場合の収入金額:100万円
- 65歳未満で公的年金収入のみの場合の収入金額:105万円
- 65歳以上で公的年金収入のみの場合の収入金額:155万円
扶養親族1名
- 非課税となる合計所得金額(※):101万円
- 給与収入のみの場合の収入金額:156万円
- 65歳未満で公的年金収入のみの場合の収入金額:171万3334円
- 65歳以上で公的年金収入のみの場合の収入金額:211万円
扶養親族2名
- 非課税となる合計所得金額(※):136万円
- 給与収入のみの場合の収入金額:205万9999円
- 65歳未満で公的年金収入のみの場合の収入金額:218万1円
- 65歳以上で公的年金収入のみの場合の収入金額:246万円
※合計所得金額とは、損失の繰越控除を適用する前の総所得金額などを指します。
住民税が非課税となる年収のボーダーラインは、扶養親族がいない単身者の場合、給与収入のみなら100万円ですが、65歳以上で公的年金収入のみの場合は155万円まで上がります。
扶養親族が1人いる場合は、給与収入のみなら156万円、65歳以上で公的年金収入のみなら211万円が目安です。
このように、非課税限度額は扶養家族の人数が増えるほど引き上げられ、特に65歳以上で収入が年金のみの場合には、さらに高い水準になることがわかります。
7. まとめ
物価高対応子育て応援手当と呼ばれる、子ども1人あたり2万円の現金給付は、自治体により手続きが進められます。
0歳~高校生年代の子どもが複数名いる世帯は、2万円×子どもの人数分の給付金が支給されます。
お住まいの自治体からの詳細を待ちましょう。
※LIMOでは個別の相談をお受けしていません。
※再編集記事です。
参考資料
- LIMO「現金給付「子ども1人あたり2万円」令和7年12月支給を目指す自治体も!児童手当の受取口座への振込でスピーディーに対応できそう?!【物価高対応子育て応援手当】」
- 財務省「令和7年度予算」
- こども家庭庁「物価高対応子育て応援手当」
- 内閣府「「強い経済」を実現する総合経済対策」
- 内閣府「「強い経済」を実現する総合経済対策 ~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~」
- 首相官邸「総合経済対策等についての会見」
- 首相官邸「記者会見資料」(総合経済対策)
- 愛知県みよし市「物価高対応子育て応援手当」
- 東京都江戸川区「江戸川区物価高対応子育て応援手当」
- 大阪市「「物価高対応子育て応援手当」について」
- 総務省「個人住民税」
- 札幌市「個人市民税」
- 国税庁 高齢者と税(年金と税)「年金収入の所得計算、所得控除の増額」
和田 直子