優雅な生活を送っている人を見て、「あの人は富裕層だ」と捉えてはいませんか?なんとなく「お金持ち=富裕層」というイメージがありますが、具体的にどのような人が富裕層なのかご存知でしょうか。
そこで今回は富裕層の定義に加え、お金持ちがどのくらい存在するのかをみていきましょう。
富裕層の定義と特徴は?
野村総合研究所(NRI)が発表した「2017年の日本の富裕層は127万世帯、純金融資産総額は299兆円と推計」では、富裕層を以下のように定義しています。
超富裕層:世帯の純金融資産保有額が5億円以上
富裕層:世帯の純金融資産保有額が1億円以上5億円未満
「富裕層」にはこの2層が当てはまるため、「富裕層=純金融資産保有額が1億円以上の世帯」となります。これに該当するのは、126.7万世帯という結果でした。
なおこの調査では、預貯金や株式、投資信託、債権、一時払いの生命保険、年金保険などを「純金融資産」としています。不動産は含まれないため、「保有している建物や土地の評価額等を含めると1億円に達する」という世帯は一定数存在するでしょう。
高齢者世帯のお金持ちの割合は?
続いて、総務省統計局の「家計調査報告[貯蓄・負債編]平成29年(2017年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」の結果をみてみましょう。2人以上世帯の貯蓄現在高の平均値は1812万円、中央値が1074万円となっています(中央値とは、データを小さい順(もしくは大きい順)に並べて真ん中に位置する値のことです)。2人以上世帯のうち53%が高齢者世帯で、その貯蓄現在高の平均値は2384万円、中央値は1639万円という結果でした。高齢者世帯の貯蓄額は高く、全体の平均を押し上げていることが分かります。
※総務省が「高齢者世帯」として定義するのは、「二人以上の世帯のうち世帯主が60歳以上の世帯」です。この調査の「貯蓄」には、銀行等への預貯金以外に株式・債券・投資信託・生命保険などが含まれます。またここでいう「中央値」は、貯蓄「0」世帯を除いています。
また注目すべき点は、高齢者世帯のうち貯蓄現在高2500万円以上の世帯は34%、4000万円を超える世帯は約18%ということでしょう。だいたい5世帯に1世帯が貯蓄現在高4000万円以上という結果には驚かされますね。
その一方、20%の世帯は貯蓄現在高が500万円未満という点も見逃せません。「4000万円以上世帯」「500万円未満世帯」がともに約2割を占めていることから、高齢者世帯のなかで格差があることがうかがえます。