2. 【iRobot破産】ロボット掃除機のパイオニアはなぜ破産した?
しばらくは一強状態が続いたiRobotですが、20年代に入ると、状況が一変します。
RoborockやEcovacsなどの中国メーカーが台頭し、高性能なのにコスパにもすぐれているモデルを展開。ルンバはカメラ(vSLAM)によるマッピングにこだわったのに対して、中国勢はレーザー(LiDAR)を取り入れることで、差をつけ始めました。
ごみ収集と水拭きの一体化やモップの自動洗浄のような画期的な機能も、こうした後発メーカーに先を越されることが増え、ルンバの優位性は徐々に失われていきます。
「iRobotが危ないかも」という大きなシグナルとなったのが、22年のAmazonによる買収計画の失敗です。Amazonはスマートスピーカーをはじめとしたスマートホーム機器を多く展開していることからシナジー効果が期待されましたが、欧州の規制当局の反対で破談になってしまいます。
その後、大規模なリストラや創業メンバーであるコリン・アングル氏のCEO退任などを経て、復活の手がかりがないまま、今回のチャプター11申請という結末を迎えました。
