4. 老後の赤字を押し上げる「3大コスト」住宅修繕・親族行事・介護にかかる想定外の費用

ここまで紹介してきた数値は、あくまで「ふだんの生活費」を示したものです。

しかし、老後の家計では、統計に現れにくい大きな出費が複数あります。これらの支出は発生時期や金額を予測しづらく、思っている以上に貯蓄の減り方を早める要因になります。

4.1 住宅の修繕費

持ち家世帯の場合、外壁塗装や屋根修繕、給湯器・水回り交換など、10万〜100万円単位の支出が定期的に発生します。老後は収入が限られる分、こうした大口出費が家計に与える影響が大きくなります。

4.2 冠婚葬祭費・親族行事への支援

子や孫の結婚・出産・入学など、家族イベントに伴う支援は一定の割合で発生します。特に葬儀費用は地域差が大きいものの、数十万円規模になることもあります。

4.3 介護にかかる“日常外”の費用

先ほど触れたように、家計調査には大きな介護費用は含まれていませんが、実際には

  • 自宅のバリアフリー工事
  • 介護用品の購入
  • 通院・付き添いの交通費

など、公的保険ではまかなえない細かな負担が積み重なり、結果として年間数十万円規模になるケースもあります。

こうした「見えない支出」は、月々の生活費とは別に発生するため、赤字額を押し上げ、貯蓄の取り崩しスピードを速める大きな要因になります。

老後資金を考える際は、通常の生活費に加えて、これらの不定期支出を前提にした備えが欠かせません。