2025年12月も半ばに差し掛かり、冬の年金支給日を心待ちにしている方もいらっしゃるかもしれません。
年末は、今年一年間の家計を振り返り、来年の生活設計を考える良い機会です。
この記事では、老後生活を支える柱となる「厚生年金と国民年金」について、最新の統計データに基づき平均受給月額を解説します。
ご自身の年金生活について、計画を立てるのに参考にしてみてください。
1. 公的年金の基本「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造とは？
日本の公的年金制度は、しばしば「2階建て」に例えられます。
これは、制度の土台となる1階部分の「国民年金（基礎年金）」と、その上に乗る2階部分の「厚生年金」という構成になっているためです。
1.1 1階部分：国民年金（基礎年金）の概要
- 加入対象：原則として日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人
- 保険料：所得にかかわらず一律（年度ごとに改定）。2025年度は月額1万7510円です。
- 受給額：40年間（480ヶ月）保険料を全額納付した場合、満額を受給できます。2025年度の満額は月額6万9308円です。
1.2 2階部分：厚生年金の概要（国民年金への上乗せ）
- 加入対象：会社員や公務員のほか、パートタイマーなどでも特定適用事業所（※1）で一定の要件を満たす人
- 保険料：収入（標準報酬月額・標準賞与額）に応じて変動します（※2）。
- 受給額：加入期間や納付した保険料額によって個人差が生じます。
※1 特定適用事業所とは、厚生年金保険の被保険者数が常時51人以上となる企業などを指します。
※2 厚生年金の保険料は、標準報酬月額（上限65万円）と標準賞与額（上限150万円）に保険料率を乗じて算出されます。
国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人が原則として加入し、一律の保険料を納める制度です。
一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に加えて加入するもので、保険料は個々の収入に応じて決まります。
