2. 【50歳代】2人以上世帯「貯蓄格差」アッパーマス層以上は約18%
次に、J-FLEC(金融経済教育推進機構)が2025年12月18日に発表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」の2人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)から、50歳代2人以上世帯の資産保有状況を見てみましょう。
※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
2.1 50歳代・二人以上世帯の金融資産状況
50歳代の二人以上世帯は、長年のキャリアを経て収入がピークを迎える一方、子育ての終わりが見え始め、自分たちの「老後資金」の確保に向けて資産形成の最終スパートをかける世代と言えます。
各年代と比較すると、50歳代はそれまでの世代に比べて資産保有額が一段と底上げされており、リタイアを目前に資産形成が加速している様子が伺えます。しかし、平均値が1908万円であるのに対し、中央値は700万円にとどまっており、平均値が一部の多額資産保有世帯によって大きく引き上げられている実態が浮き彫りになっています。
また、金融資産非保有(貯蓄ゼロ)世帯が18.2%存在する一方で、高額資産を持つ世帯も増えており、現役生活の終盤に向けて「持てる者」と「持たざる者」の格差が最も顕著に現れるのがこの50歳代という時期です。
2.2 「資産3000万円以上」の割合
富裕層への足掛かりとも言えるアッパーマス層「3000万円以上」の金融資産を保有する世帯は18.8%に達しています。これは、50歳代の約5世帯に1世帯がこの水準に到達していることを示しており、退職金を目前にした段階で、すでに相応の資産的余裕を築き上げている層が一定数存在することが分かります。
では、貯蓄ができる人とそうでない人にはどのような違いがあるのでしょうか。もちろん収入の差も大きなポイントです。
しかし、筆者は元銀行員として働くなかで、お金に好かれる人には共通の習慣があることに気が付きました。次の章で紹介していきましょう。
