年の瀬が迫りあわただしくなるこの時期は、1年の貯蓄状況を振り返る絶好のタイミングです。「今年の目標に届かなかった」「いつも計画倒れしてしまう」という場合は、もしかしたら日頃の習慣が原因かもしれません。
ここでは、日本における富裕層の割合や50歳代の貯蓄状況を踏まえたうえで、お金に好かれる人の特徴を紹介します。
1. 【富裕層】資産1億円以上の富裕層、日本全体の約3%
まず、日本における資産保有額の階層別分布図を見てみましょう。野村総合研究所によると、2023年時点での純金融資産保有額の階層別の世帯数とその資産規模は以下のとおりです。
- 超富裕層(5億円以上):11万8000世帯/135兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯/334兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯/333兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯/282兆円
- マス層(3000万円未満):4424万7000世帯/711兆円
よく「富裕層」という言葉を耳にしますが、富裕層には明確な定義があるわけではありません。
野村総合研究所では「資産1億円以上」を富裕層、「資産5億円以上」を超富裕層としており、合計で165.3万世帯との結果が出ています。これは全体の約3%にあたる割合ですので、富裕層は限られたごく一部の世帯であることが分かります。
2. 【50歳代】2人以上世帯「貯蓄格差」アッパーマス層以上は約18%
次に、J-FLEC(金融経済教育推進機構)が2025年12月18日に発表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」の2人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)から、50歳代2人以上世帯の資産保有状況を見てみましょう。
※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
2.1 50歳代・二人以上世帯の金融資産状況
50歳代の二人以上世帯は、長年のキャリアを経て収入がピークを迎える一方、子育ての終わりが見え始め、自分たちの「老後資金」の確保に向けて資産形成の最終スパートをかける世代と言えます。
各年代と比較すると、50歳代はそれまでの世代に比べて資産保有額が一段と底上げされており、リタイアを目前に資産形成が加速している様子が伺えます。しかし、平均値が1908万円であるのに対し、中央値は700万円にとどまっており、平均値が一部の多額資産保有世帯によって大きく引き上げられている実態が浮き彫りになっています。
また、金融資産非保有(貯蓄ゼロ)世帯が18.2%存在する一方で、高額資産を持つ世帯も増えており、現役生活の終盤に向けて「持てる者」と「持たざる者」の格差が最も顕著に現れるのがこの50歳代という時期です。
2.2 「資産3000万円以上」の割合
富裕層への足掛かりとも言えるアッパーマス層「3000万円以上」の金融資産を保有する世帯は18.8%に達しています。これは、50歳代の約5世帯に1世帯がこの水準に到達していることを示しており、退職金を目前にした段階で、すでに相応の資産的余裕を築き上げている層が一定数存在することが分かります。
では、貯蓄ができる人とそうでない人にはどのような違いがあるのでしょうか。もちろん収入の差も大きなポイントです。
しかし、筆者は元銀行員として働くなかで、お金に好かれる人には共通の習慣があることに気が付きました。次の章で紹介していきましょう。
3. お金に好かれる人はココが違う①支出にメリハリをつける
貯蓄に取り組むと聞くと、とにかく節約するようなイメージがあるかもしれませんが、実はお金に好かれる人は「良い支出」と「悪い支出」の分別をつけています。
たとえば、ATM手数料やコンビニでのついで買いのような支出は「悪い支出」とする一方、家族との外食・旅行や信頼する人との交際費などは「良い支出」として出費を惜しみません。
貯蓄に長く取り組んでいくためには極端な節約を課すのではなく、お金をかけるところとそうでないところを明確にしておくことが大切です。
4. お金に好かれる人はココが違う②無駄な出費をそのままにしない
お金に好かれる人は、日々の無駄な出費を見過ごしません。「これくらいの出費なら良いか」と妥協することがなく、結果として月々の支出を最低限に抑えることができます。
たとえば、「使っていないクレジットカードに年会費を支払っている」「何となくサブスクサービスの契約を続けている」という経験はないでしょうか。無駄な支出だと分かっていても、見直すことや解約手続きが億劫に感じられてしまうものですよね。
しかし、1つ1つは小さな出費でも積み重なることで大きな支出につながります。まずは、毎月の家計をチェックして、支出をスリム化できないか点検してみましょう。
5. お金に好かれる人はココが違う③見栄のための出費をしない
お金に好かれる人は、自分の見栄のためにお金を使うこともありません。誰しも他人に良く思われたい、羨ましがられたいという気持ちはありますが、そういった虚栄心に振り回されてお金を使っていてはなかなか貯蓄も上手くいかないでしょう。
実際に、筆者が銀行で出会った富裕層の方の中には、ブランド物を一切持たない方やごく普通の国産車に乗っている方も多くいらっしゃいました。
先ほど「お金を使うべきところとそうでないところを分ける」という話をしましたが、お金を使うときに「何のために使うのか、自分の見栄のための支出になっていないか」というところも考えてみるとよいかもしれません。
6. この年末は日頃の習慣を振り返ってみよう
いきなり富裕層を目指すことは難しいものの、日々の小さな習慣を見直してみることで効率的に貯蓄に取り組めるようになります。この年末は自分の家計を見直しながら、日頃の習慣を振り返る機会にしてみましょう。
参考資料
- 野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」
椿 慧理