2026年が始まり、寒さも本格的になってきましたね。来月2月13日には今年最初の年金が支給されますが、「将来、自分は一体いくら年金をもらえるんだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は厚生労働省の資料をもとに、平均年収610万円で40年間厚生年金に加入した男性の年金額モデルケースや、年代別の平均受給額について詳しく解説します。ご自身の将来設計の参考にしてみてください。

1. 国民年金、保険料40年間(480カ月)すべて納付した場合「65歳から満額もらえる」

日本の公的年金制度は、老後の生活を支える「老齢年金」だけでなく、病気やケガで生活に支障が出た際の「障害年金」、家計を支える方が亡くなった場合に家族が受け取れる「遺族年金」という3つの保障で成り立っています。

一般的に「年金」というと、多くの方がリタイア後の老齢年金を思い浮かべるかもしれません。

1.1 日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て

公的年金は、しばしば「2階建て構造」と表現されます。1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」と、その上に乗る2階部分の「厚生年金」で構成されており、現役時代の働き方が将来受け取る年金額に大きく影響する仕組みです。

ここでは、国民年金と厚生年金の基本的な違いや、老齢年金の受給額について確認していきましょう。

1.2 1階部分:国民年金(基礎年金)の概要

加入対象者

  • 日本国内に住む20歳から60歳未満のすべての人が、原則として加入します(職業・国籍不問)。

年金保険料

  • 保険料は加入者全員が一律ですが、毎年度改定されます(※1)。

老齢年金の受給額

  • 保険料を40年間(480カ月)すべて納付した場合、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取れます(※2)。

※1 2025年度の国民年金保険料は月額1万7510円です。
※2 2025年度の老齢基礎年金の満額は月額6万9308円です。

1.3 2階部分:厚生年金の概要

加入対象者

  • 会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所(※3)に勤務し、一定の要件を満たす方が国民年金に上乗せして加入します。

年金保険料

  • 保険料は収入に応じて変動します(上限設定あり)(※4)。

老齢年金の受給額

  • 受給額は、加入していた期間や納めた保険料の額によって個人差が生じます。

このように、国民年金と厚生年金では加入対象者や保険料の決定方法、老齢年金額の計算式が異なります。

そのため、現役時代の経歴によって、将来受け取る年金額は人それぞれ変わってくるのです。

※3 特定適用事業所とは、1年のうち6カ月以上、厚生年金保険の被保険者(短時間労働者や共済組合員は除く)の総数が51人以上となる見込みの企業などを指します。
※4 厚生年金の保険料は、標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて算出されます。

1.4 2025年度の年金支給日カレンダー

公的年金は、原則として偶数月の15日に、その前月と前々月の2カ月分がまとめて支給される後払い方式です(※5)。

2025年度の支給日と支給対象月は以下の通りです。

  • 2025年6月13日(金):4月・5月分
  • 2025年8月15日(金):6月・7月分
  • 2025年10月15日(水):8月・9月分
  • 2025年12月15日(月):10月・11月分
  • 2026年2月13日(金):12月・1月分
  • 2026年4月15日(水):2月・3月分

※5 支給日が土日や祝日にあたる場合は、その直前の平日に前倒しで支給されます。

2. 厚生年金、約40年加入「年収610万円」で勤め上げた65歳の男性《年金額の目安》はいくら?

働き方やライフスタイルが多様化する中で、「自分の将来の年金はいくらになるのか」と気になる方も多いでしょう。

厚生労働省は年金額改定の発表に際し、「多様なライフコースに応じた年金額の例」を公開しています。

この資料では、2025年度に65歳になる人を想定し、年金の加入経歴を5つのモデルケース(男性2、女性3)に分けて年金月額の概算を示しています。

多様なライフコースに応じた年金額

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

 

2.1 モデルケース①:厚生年金中心の男性の場合

年金月額:17万3457円

  • 平均厚生年金期間:39.8年
  • 平均収入:50万9000円(※賞与を含む月額換算、以下同様)
  • 基礎年金:6万8671円
  • 厚生年金:10万4786円

厚生労働省『令和7年度の年金額改定についてお知らせします』によると、会社員として長く勤務した標準的なモデルでは、将来の年金月額は17万3457円となります。これは、老齢基礎年金6万8671円と、現役時代の収入や加入期間で決まる老齢厚生年金10万4786円の合計額です。平均年収約610万円で約40年間厚生年金に加入し続けた場合、老後は毎月17万円強を受け取る生活がイメージできます。

2.2 モデルケース②:国民年金(第1号)中心の男性の場合

年金月額:6万2344円

  • 平均厚生年金期間:7.6年
  • 平均収入:36万4000円
  • 基礎年金:4万8008円
  • 厚生年金:1万4335円

2.3 モデルケース③:厚生年金中心の女性の場合

年金月額:13万2117円

  • 平均厚生年金期間:33.4年
  • 平均収入:35万6000円
  • 基礎年金:7万566円
  • 厚生年金:6万1551円

2.4 モデルケース④:国民年金(第1号)中心の女性の場合

年金月額:6万636円

  • 平均厚生年金期間:6.5年
  • 平均収入:25万1000円
  • 基礎年金:5万2151円
  • 厚生年金:8485円

2.5 モデルケース⑤:国民年金(第3号)中心の女性の場合

年金月額:7万6810円

  • 平均厚生年金期間:6.7年
  • 平均収入:26万3000円
  • 基礎年金:6万7754円
  • 厚生年金:9056円

これらのモデルケースからもわかるように、厚生年金への加入期間や現役時代の平均収入は、将来受け取る年金の月額に大きく影響します。

特に、国民年金と厚生年金のどちらを主として加入していたかによって、老後の受給額に大きな差が生まれることが確認できます。

3. 厚生年金、60歳代から90歳以上までの平均年金月額「いくらもらえる?」

それでは、現在のシニア世代は実際にどのくらいの年金を受け取っているのでしょうか。

厚生労働省年金局が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータに基づき、年齢階層ごとの平均年金月額を一覧で見ていきましょう。

まずは、国民年金部分を含む厚生年金の平均月額です。

3.1 60歳代(60~69歳)の厚生年金平均月額

  • 60歳:9万9664円
  • 61歳:10万4455円
  • 62歳:10万9323円
  • 63歳:6万8758円
  • 64歳:8万3901円
  • 65歳:14万9862円
  • 66歳:15万2378円
  • 67歳:15万2356円
  • 68歳:15万2709円
  • 69歳:15万1284円

※65歳未満の受給額には、特別支給の老齢厚生年金のうち報酬比例部分のみを受け取っている方も含まれます。これは、定額部分の支給開始年齢が引き上げられたことによるものです。

3.2 70歳代(70~79歳)の厚生年金平均月額

  • 70歳:15万455円
  • 71歳:14万8371円
  • 72歳:14万6858円
  • 73歳:14万5583円
  • 74歳:14万7774円
  • 75歳:15万1410円
  • 76歳:15万1241円
  • 77歳:15万962円
  • 78歳:15万862円
  • 79歳:15万3115円

3.3 80歳代(80~89歳)の厚生年金平均月額

  • 80歳:15万3729円
  • 81歳:15万5460円
  • 82歳:15万7744円
  • 83歳:15万9994円
  • 84歳:16万2555円
  • 85歳:16万3947円
  • 86歳:16万5577円
  • 87歳:16万5557円
  • 88歳:16万6200円
  • 89歳:16万6767円

3.4 90歳以上の厚生年金平均月額

  • 90歳以上:16万4027円

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金の受給を始める標準的な年齢である65歳以降では、厚生年金の平均月額は14万円台から16万円台で推移していることがわかります。

4. 国民年金、60歳代から90歳以上までの平均年金月額「いくらもらえる?」

次に、国民年金(老齢基礎年金)の平均受給月額を年齢別に確認します。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータを見ていきましょう。

4.1 60歳代(60~69歳)の国民年金平均月額

  • 60歳:4万5186円
  • 61歳:4万6371円
  • 62歳:4万7784円
  • 63歳:4万7258円
  • 64歳:4万7896円
  • 65歳:6万1240円
  • 66歳:6万1369円
  • 67歳:6万1345円
  • 68歳:6万1293円
  • 69歳:6万978円

※65歳未満で国民年金(老齢基礎年金)を受け取っているのは、繰上げ受給を選択した方です。

4.2 70歳代(70~79歳)の国民年金平均月額

  • 70歳:6万1011円
  • 71歳:6万770円
  • 72歳:6万234円
  • 73歳:6万32円
  • 74歳:5万9813円
  • 75歳:5万9659円
  • 76歳:5万9555円
  • 77歳:5万9349円
  • 78歳:5万9124円
  • 79歳:5万8676円

4.3 80歳代(80~89歳)の国民年金平均月額

  • 80歳:5万8623円
  • 81歳:5万8269円
  • 82歳:5万8003円
  • 83歳:5万7857円
  • 84歳:5万9675円
  • 85歳:5万9425円
  • 86歳:5万9228円
  • 87歳:5万9204円
  • 88歳:5万8756円
  • 89歳:5万8572円

4.4 90歳以上の国民年金平均月額

  • 90歳以上:5万5633円

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳以降の方が受け取る国民年金(老齢基礎年金)の平均月額は、おおむね5万円台から6万円台で推移していることがわかります。

5. 国民年金・厚生年金、さらに私的年金での備えも検討を

今回は、公的年金の仕組みやモデルケース別の受給額、年齢別の平均額について解説しました。

日本の年金制度は国民年金と厚生年金の2階建てで、現役時代の働き方が将来の受給額に大きく影響します。平均年収610万円で40年勤めた男性のモデルケースでは月額約17万円でしたが、加入状況によって金額は大きく変わります。

ご自身の年金加入記録を確認し、将来の生活設計を立てることが大切です。

公的年金だけでは不安な場合、新NISAやiDeCoといった私的年金制度の活用も有効な選択肢です。まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

※当記事は再編集記事です。

参考資料