2. 【年代別】無職シニア世帯の「ひと月の生活費」は年齢によってどう変わる？
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年（令和6年）平均結果の概要」をもとに、二人以上世帯のうち「65歳以上の無職世帯」における月々の家計収支を見ていきます。
シニア世代の暮らしでは、毎月どの程度の支出が生じているのでしょうか。
実際の家計状況を確認することで、老後に必要となる資金規模や、将来に向けた準備額を具体的にイメージしやすくなるはずです。
2.1 65〜69歳・無職シニア世帯の「ひと月の生活費」はいくら？
65〜69歳の1か月あたりの実支出は35万2686円でした。
内訳は次のとおりです。
- 消費支出（いわゆる生活費）：31万1281円
- 非消費支出（税や社会保険料など）：4万1405円
一方、実収入は30万7741円にとどまり、毎月4万4945円の赤字となっています。
このような収支のマイナスは、65〜69歳に限ったものなのでしょうか。続いて、70歳以降の月々の生活費についても確認していきましょう。
2.2 70〜74歳・無職シニア世帯の「ひと月の生活費」はいくら？
70〜74歳の世帯では、1か月あたりの実際の支出が30万3839円となっています。
収入は27万5420円で、65〜69歳の世帯と比べると支出も収入も減少しています。
- 消費支出（いわゆる生活費）：26万9015円
- 非消費支出（税や社会保険料など）：3万4824円
その結果、月々約2万8419円の不足が生じており、赤字はやや縮小しているものの、この差額を補う工夫は依然として必要です。
2.3 75歳以上・無職シニア世帯の「ひと月の生活費」はいくら？
75歳以上の世帯では、1か月あたりの実支出が27万3398円となっています。
- 消費支出（いわゆる生活費）：24万2840円
- 非消費支出（税や社会保険料など）：3万558円
これに対して収入は25万2506円で、支出は減少しているものの、依然として月に約2万892円の不足が生じています。
3. 【コラム】60歳代～70歳代の「ひと月の食費」は7万円前後
日々の家計管理の中で比較的意識しやすく、工夫次第で節約が可能な支出のひとつが「食費」です。
総務省統計局「家計調査 家計収支編（2024年）第3-2表」によると、二人以上世帯の1か月あたりの平均食費は、50歳代で約8万円と最も高くなります。
全体平均 7万5258円
- ～29歳 5万2413円
- 30～39歳 6万9433円
- 40～49歳 7万9900円
- 50～59歳 8万1051円
- 60～64歳 7万9831円
- 65～69歳 7万7405円
- 70～74歳 7万4322円
- 75～79歳 6万8274円
- 80～84歳 6万6257円
- 85歳～ 6万3347円
その後は年齢とともに徐々に減少し、85歳以上では6万3347円程度に落ち着きます。
食費は家族構成やライフステージによって変動しやすく、所得が低めの世帯では家計に占める割合（エンゲル係数）が高くなる傾向があります。
物価が上昇する現状では、食料品の値動きを意識しながら、無理のない範囲で食生活と家計の両方を上手に管理することが大切です。
