4. 企業の社会貢献実践例をご紹介

社会貢献活動が企業のブランドイメージや採用活動において重要な要素となっている中、企業は実際にどのような活動をしているのでしょうか。

具体的な実践例としてトヨタ自動車株式会社の取り組みを紹介します。

同社は「幸せの量産」と「誰一人取り残さない社会」の実現を掲げており、本業である自動車製造にとどまらない幅広い社会貢献活動を展開しています。

4.1 主な取り組みの4つの柱

トヨタは以下の4つの分野を重点領域として定めています。

  • 文化・芸術:地域に根差した「トヨタコミュニティコンサート」や、若手音楽家を育成するキャンプの開催など。
  • 交通安全:交通安全センター「モビリタ」での講習や、子ども向けの交通安全啓発活動。
  • 自然環境:「トヨタの森」での保全活動や、「トヨタ白川郷自然學校」を通じた自然体験の提供。
  • 災害支援:被災地へのモビリティ支援や、車中泊避難のサポートなど、自動車会社ならではの強みを活かした支援。

4.2 Z世代の価値観と響き合う「現地現物」の姿勢

注目すべき点は、各分野の課題に対し「自分事」として「現地現物」の姿勢を重視していることです。
「現地現物」を大切にしながら社会課題解決に取り組む姿勢は、Z世代の価値観とも強く共鳴するものと言えるでしょう。

このように、自社のリソースや強みを活かしながら、次世代の「夢・憧れ・希望」につながる原体験を提供する活動は、企業の社会的責任を果たすだけでなく、将来のファンや人材を育む重要な投資となることでしょう。

5. まとめにかえて

Z世代は社会貢献活動に対して高い関心を持っており、積極的に取り組む企業に対して好印象を抱いています。

しかし就職先を選ぶ際には、社会貢献度だけでなく「育児休暇」や「男女平等の評価」といった、自身の働きやすさやキャリア形成に直結する要素をより重視する傾向にあります。

企業にとっては、社会貢献活動を通じて社会的責任を果たすと同時に、従業員一人ひとりが尊重され、活躍できる職場環境を整備することが重要でしょう。

参考資料

LIMO・U23編集部