企業の社会貢献活動が一般的となり、SDGsやESGといった言葉もよく耳にするようになりました。

そんななか、Z世代は社会貢献活動や企業の取り組みをどのように捉えているのでしょうか。

今回は、Z世代の社会貢献への関心度や、就職・転職における企業の評価基準を探ります。また、後半では企業の取り組み事例についてもご紹介します。

1. 社会貢献活動への関心度は?

プラン・インターナショナルが実施した「企業の社会貢献活動に対する意識調査」を見ていきましょう。

1.1 調査概要

  • 調査対象:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県に住む30歳以下の学生(専門学校、短大、大学、大学院)または社会人
  • 回答数:414人
  • 調査期間:2025年7月28日(月)〜7月30日(水)
  • 調査方法:インターネット調査

1.2 約7割が社会貢献活動に「関心あり」

あなたは社会貢献活動や支援活動をすることにどの程度関心がありますか?1/3

あなたは社会貢献活動や支援活動をすることにどの程度関心がありますか?

出所:公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン「企業の社会貢献活動に対する意識調査」

あなたは社会貢献活動や支援活動をすることにどの程度関心がありますか?

  • 関心がある: 25%
  • やや関心がある: 43%
  • あまり関心はない: 25%
  • 関心はない: 7%

まず、社会貢献活動や支援活動に対する関心度を見てみましょう。
「関心がある」が25%、「やや関心がある」が43%であり、合計で68%が社会貢献活動に何らかの関心を持っています。
Z世代を含む多くの人々にとって、社会貢献が他人事ではなく、自分たちの生活や社会と密接に関わるテーマとして認識されていることがわかります。

2. 社会貢献活動を行う企業へのポジティブな評価

社会貢献活動をしている企業に対してどのように感じますか?(いくつでも)2/3

社会貢献活動をしている企業に対してどのように感じますか?(いくつでも)

出所:公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン「企業の社会貢献活動に対する意識調査」

企業が社会貢献活動を行うことに対して、どのような印象を持つ人が多いのでしょうか。

最も多かった回答は「その企業に対して好感が持てる」で、とくに女子学生では60%を超える高い割合となりました。
一方で「企業として当然の行動である」という意見も二番目であり、「もはや当たり前」と思う人も多いようです。

全体的にはポジティブな意見が多く、「その企業に対して、将来性があると感じる」「その企業に対して、透明性の高い企業として思える」「その企業で働きたいと思う」「その企業の商品やサービスを使ってみたい」などといった声が続いています。

「何も感じない」や「ネガティブに思う」という回答は少数派であり、企業の社会貢献活動はブランドイメージの向上や採用ブランディングにおいて重要な役割を果たしていることがわかります。

3. 就職・転職先選びで重視するのは「働きやすさ」と「公平性」

就職・転職先選びで重視するポイント(いくつでも)3/3

就職・転職先選びで重視するポイント(いくつでも)

出所:公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン「企業の社会貢献活動に対する意識調査」

では、実際に就職や転職先を選ぶ際、どのようなポイントが重視されているのでしょうか。

全体で見ると、「育児休暇がとれる」「男女差なく活躍できる」「年齢に関係なく活躍する」が上位にあり、いずれも70%以上の人が重視しています。

「働きやすさ」や「公平性」が企業選びの最重要基準となっていることがわかりますね。

また「社会貢献活動をしている」や「くるみん等マーク取得」といった項目も一定数の支持を集めていますが、それ以上に実際に働く環境がどうであるかどうかが決定打となっているようです。

4. 企業の社会貢献実践例をご紹介

社会貢献活動が企業のブランドイメージや採用活動において重要な要素となっている中、企業は実際にどのような活動をしているのでしょうか。

具体的な実践例としてトヨタ自動車株式会社の取り組みを紹介します。

同社は「幸せの量産」と「誰一人取り残さない社会」の実現を掲げており、本業である自動車製造にとどまらない幅広い社会貢献活動を展開しています。

4.1 主な取り組みの4つの柱

トヨタは以下の4つの分野を重点領域として定めています。

  • 文化・芸術:地域に根差した「トヨタコミュニティコンサート」や、若手音楽家を育成するキャンプの開催など。
  • 交通安全:交通安全センター「モビリタ」での講習や、子ども向けの交通安全啓発活動。
  • 自然環境:「トヨタの森」での保全活動や、「トヨタ白川郷自然學校」を通じた自然体験の提供。
  • 災害支援:被災地へのモビリティ支援や、車中泊避難のサポートなど、自動車会社ならではの強みを活かした支援。

4.2 Z世代の価値観と響き合う「現地現物」の姿勢

注目すべき点は、各分野の課題に対し「自分事」として「現地現物」の姿勢を重視していることです。
「現地現物」を大切にしながら社会課題解決に取り組む姿勢は、Z世代の価値観とも強く共鳴するものと言えるでしょう。

このように、自社のリソースや強みを活かしながら、次世代の「夢・憧れ・希望」につながる原体験を提供する活動は、企業の社会的責任を果たすだけでなく、将来のファンや人材を育む重要な投資となることでしょう。

5. まとめにかえて

Z世代は社会貢献活動に対して高い関心を持っており、積極的に取り組む企業に対して好印象を抱いています。

しかし就職先を選ぶ際には、社会貢献度だけでなく「育児休暇」や「男女平等の評価」といった、自身の働きやすさやキャリア形成に直結する要素をより重視する傾向にあります。

企業にとっては、社会貢献活動を通じて社会的責任を果たすと同時に、従業員一人ひとりが尊重され、活躍できる職場環境を整備することが重要でしょう。

参考資料

LIMO・U23編集部