12月15日は公的年金の支給日です。この日にあわせて、年金生活者支援給付金の対象となっている方には、10月・11月分の給付金もまとめて振り込まれます。
年金生活者支援給付金は、所得が一定額に満たない年金受給者の暮らしを支えるために設けられた制度で、物価高が続く今の状況では、まさに頼れる存在といえます。
特に12月は、暖房費が増えたり、年末年始の準備をしたりと何かとお金がかかる時期です。今回の支給を心待ちにしていた方も多いかもしれません。一方で、「自分はいくら受け取れるのか」「そもそも対象なのか」といった細かい条件については、意外と知られていないのが現実です。
そこで本記事では、年金生活者支援給付金の仕組みや対象者、支給額について、できるだけ分かりやすく解説していきます。
1. 年金生活者支援給付金とは?
年金生活者支援給付金は、老齢・障害・遺族基礎年金を受給している方のうち、所得が一定基準額に満たない場合に、公的年金に上乗せして支給される制度です。支給は2カ月に一度、年金と同じ受取口座へ行われます。
給付額は物価の変動などを考慮して毎年度改定される仕組みになっています。
1.1 制度創設の背景と目的
この制度は、2019年10月に消費税率が8%から10%へ引き上げられたことを機に創設されました。主な目的は、所得が低い高齢者や、障害・遺族年金を受給している方々の生活を支援することにあります。
制度の趣旨は「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」の第1条にも、次のように定められています。
「この法律は、公的年金等の収入金額と一定の所得との合計額が一定の基準以下の老齢基礎年金の受給者に国民年金の保険料納付済期間及び保険料免除期間を基礎とした老齢年金生活者支援給付金又は保険料納付済期間を基礎とした補足的老齢年金生活者支援給付金を支給するとともに、所得の額が一定の基準以下の障害基礎年金又は遺族基礎年金の受給者に障害年金生活者支援給付金又は遺族年金生活者支援給付金を支給することにより、これらの者の生活の支援を図ることを目的とする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」
公的年金の収入だけでは生活の維持が難しい方々に対し、現金を上乗せして支給することで、安定した暮らしを支えることを目指しています。