1. 日本の公的年金は2階建て構造!「国民年金」と「厚生年金」の基本を解説

公的年金は、原則として偶数月の15日に2か月分がまとめて指定口座に支給されます。

ただし、支給日が土日や祝日に重なる場合は、その直前の平日に前倒しで支給される仕組みです。

日本の公的年金制度は、基礎部分である「国民年金」と、それに上乗せされる「厚生年金」の2階建て構造になっています。国民年金は国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象で、厚生年金は主に会社員や公務員などが加入します。

それぞれの制度の概要を改めて確認しておきましょう。

1.1 国民年金(1階部分)

  • 加入対象:日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入します。
  • 年金保険料:所得にかかわらず、全員が一律の金額です(※1)
  • 老後の受給額:保険料を40年間すべて納付すると、満額を受給できます(※2)
  • 被保険者の種類:自営業者や学生などが対象の「第1号被保険者」、厚生年金に加入する会社員や公務員の「第2号被保険者」、第2号被保険者に扶養される配偶者である「第3号被保険者」に区分されます(※3)

※1 2025年度の国民年金保険料は月額1万7510円です。
※2 2025年度の老齢基礎年金(国民年金)の満額は月額6万9308円です。
※3 被保険者の区分によって保険料の納付方法が異なります。

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 加入対象:会社員や公務員のほか、パートやアルバイトでも特定の事業所(※4)で一定の要件を満たす場合に、国民年金に上乗せして加入します。
  • 年金保険料:収入(標準報酬月額と標準賞与額)に応じて保険料が決定され(※5)、給与から天引きで納付されます。
  • 老後の受給額:加入期間の長さや現役時代の収入によって、受給額は個人差が大きくなります。
  • 被保険者の種類:勤務先によって第1号から第4号に分かれます(※6)

※4 厚生年金の被保険者数が常時51人以上の企業などが該当します。
※5 標準報酬月額の上限は65万円、標準賞与額の上限は150万円です。
※6 第1号は民間企業の会社員、第2号は国家公務員、第3号は地方公務員、第4号は私立学校教職員が該当します。

次章では、これらの制度から実際にどれくらいの年金が支給されているのか、厚生労働省の公式データをもとに平均月額を見ていきましょう。