4. 後期高齢シニア夫婦の貯蓄額、平均2362万円の内訳は？
年金だけでは生活費が不足する分は、主に貯蓄でカバーすることになります。75歳以上の世帯は、どのくらいの金融資産を保有しているのでしょうか。
総務省統計局の『家計調査 貯蓄・負債編 2024年 〔二人以上の世帯〕』によると、世帯主が75歳以上の無職世帯の平均貯蓄額は2362万円です。
- 貯蓄総額：2362万円
- 負債：23万円
内訳を見ると、すぐに使える「通貨性預貯金」が752万円（31.8％）、比較的安定性の高い「定期性預貯金」が815万円（34.5％）と、預貯金が全体の6割以上を占めています。一方で、「有価証券」も440万円（18.4％）と一定の割合を占めています。
平均額だけでは見えない実態
「平均2362万円」という数字は心強く感じられるかもしれませんが、これは一部の富裕層が平均値を引き上げている可能性があり、この金額に満たない世帯も少なくありません。
また、物価が上昇するインフレの状況下では、預貯金の価値は実質的に目減りしてしまいます。資産を守り、育てていく「資産寿命」を延ばすという視点がますます重要になっています。
一方で、年齢を重ねるとどうしてもかさむのが「医療費」ですね。次では、後期高齢者医療制度の「自己負担割合」のルールについても触れておきましょう。
