元旦を迎え、新しい年が始まると、年末年始の帰省やお年玉などで出費がかさみ、財布の中身が心細く感じる方も多いのではないでしょうか。

1月は、1年の家計プランを立てる絶好のタイミング。そして同時に、将来の「老後資金」について考えるきっかけにもなります。「今の貯蓄ペースで足りるのか」「年金だけで暮らせるのか」――そんな不安を解消するには、まず現状の数字を知ることが第一歩です。

厚生労働省のデータによると、年金収入だけで生活している高齢者世帯は全体の4割以上。しかし、物価高が続く中で、平均的な受給額と実際の生活費には差があるのが現実です。

今回は、男女別の厚生年金・国民年金の平均受給額に加え、65歳以上の夫婦世帯・単身世帯の家計収支の実態を紹介します。

新しい年の始まりに、ご自身の老後を具体的にイメージするための参考にしてください。

1. 【2階建て】日本の公的年金の構造

日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2つから構成されているため、下の体系図のような「2階建て」構造と呼ばれています。

日本の公的年金制度のしくみ

日本の公的年金制度のしくみ

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 1階:国民年金(基礎年金)の仕組み

国民年金制度の加入対象は、原則として国内居住者のうち「20歳以上60歳未満」のすべての人々です。

年金保険料は全国一律で、年度ごとに見直しが実施されます(※1)。40年間保険料を漏れなく納めた人は、65歳以降に満額の老齢基礎年金(※2)を受給できるようになります。

※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円

1.2 2階:厚生年金の仕組み

厚生年金制度に加入するのは、会社員や公務員、さらに特定適用事業所(※3)で働くパートなど、一定の要件をクリアした人で、国民年金と併せて加入する制度となっています。

  • 年金保険料(※4):給与水準により決定する(上限あり)
  • 老後の受給額:加入した期間や支払った保険料によって個人ごとにばらつきが出る

※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される

「2階建て構造」で説明される日本の公的年金制度は、1階が「国民年金」、2階が「厚生年金」となっていますが、加入対象となる人や保険料の決まり方、将来受給できる年金額などに大きな差があります。