2025年12月3日、財務省は「個人向け国債」の新しい発行条件を発表しました。

募集期間「12月4日(木)~12月30日(火)」の個人向け国債の適用利率はすべて1%超え。

金利がじわじわと上昇する中、とくに気になるのが「変動10年型」ではないでしょうか。

固定5年・固定3年と比べ、変動10年型の適用利率は高くなっています。しかし、変動タイプは半年ごとに適用利率が見直されるため、これがどのように推移するのか?が重要です。

参考までに過去の発行債を見てみると、2年半で適用利率が約4倍にまで上昇しているものがありました。

この記事では、2025年12月募集の個人向け国債の発行条件を確認し、「変動10年型」の金利推移に注目していきます。

1. 12月募集の「個人向け国債」の適用利率はすべて1%超

2025年12月4日(木)から12月30日(火)まで募集される個人向け国債の金利は、以下の通りです。

  • 変動金利型10年:1.23%(11月募集時は1.10%)
  • 固定金利型5年:1.35%(11月募集時は1.19%)
  • 固定金利型3年:1.10%(11月募集時は0.99%)

変動10年、固定5年、固定3年のいずれのタイプも、11月の募集分と比べて適用利率が上昇しています。

個人向け国債は、日本政府が個人投資家を対象に発行する債券です。国が元本と利子の支払いを保証しているため、国内で取り扱う多くの金融商品の中でも、極めて安全性が高い資産の一つと位置付けられています。

なお、個人向け国債は「変動金利型」と「固定金利型」があります。固定金利型は満期期間が3年と5年の2種類。変動金利型は満期期間10年のみです。

【個人向け国債「変動10年」の特徴】

  • 適用される利率が半年ごとに見直されます。
  • 適用金利には0.05%という最低保証が設定されています。
  • 市場金利が上昇した際に、受け取れる利息が増えるというメリットがあります。

1.1 応募額が多いのは「固定5年→変動10年→固定3年」

財務省が毎月更新している個人向け国債の種類別応募額を見てみましょう。

【2025年10月データ】

  • 個人向け利付国庫債券(変動10年)第187回債:1246億円
  • 個人向け利付国庫債券(固定5年)第175回債:2323億円
  • 個人向け利付国庫債券(固定3年)第185回債:941億円

【2025年11月データ】

  •  個人向け利付国庫債券(変動10年)第188回債:1187億円
  • 個人向け利付国庫債券(固定5年) 第176回債:1528億円
  • 個人向け利付国庫債券(固定3年) 第186回債:595億円

応募額が最も多いのは「固定5年」です。次に「変動10年」となっています。

10月のデータでは、固定5年の応募額は変動10年の2倍近くありますが、11月のデータを見るとその差がぐっと縮まっていることがわかります。