4. 【国民年金と厚生年金】見込み額の把握「資産形成の参考として」
本記事では、日本の公的年金制度の基本である「国民年金」と「厚生年金」の違いを整理し、現役時代にどちらの制度へ加入していたかで、老後に受け取る年金額に大きな差が生じる点を解説しました。
国民年金は20歳から60歳までの全国民が対象で、保険料は一律ですが、厚生年金は会社員や公務員が加入し、報酬に応じた保険料を納める制度です。
そのため、厚生年金は国民年金に上乗せされ、受給額に個人差が生まれます。
実際、厚生年金を受給する男性の分布を見ると、月額15万円を超える人は決して少なくなく、ボリュームゾーンは17万〜18万円台にあります。
一方で、3万円未満の低額から30万円以上の高額受給まで幅広く分かれており、平均額だけでは実態を把握できません。
こうした差を踏まえると、将来の生活設計には「自分はいくら受け取れるのか」を早めに知ることが重要です。
ねんきんネットやねんきん定期便を活用し、見込み額を確認したうえで、老後資金が不足するようであれば、NISAなどの制度を活用して資産形成しておくなど、適切な備えをしておきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明
中島 卓哉