5. まとめにかえて

公的年金は社会保険で、単なる「払った額=戻る額」の計算ではありません。令和6年の財政検証では、就業者の増加などで積立金が当初予想より上振れしています。したがって「すぐに破綻する」という主張は、現行の試算では当てはまりません。

ただし平均受給は約14.6万円(厚生年金込み)と、生活費を全て賄う水準ではない人が多いのも事実です。だからこそ、年金制度を正しく理解した上で、自分の生活設計(働き方・資産形成)を考える必要があります。

小さくても積み立てやiDeCo、働き方の見直しなど「自助」の一歩を始めてみましょう。年金は制度だけに頼るものではありませんが、制度を理解すると次の一手が見えてきます。

参考資料

村岸 理美