厚生年金受給額は、現役時代の収入や厚生年金保険への加入期間などにより計算され、一人ひとり金額が異なります。
現役時代の収入が高いほど、また、加入期間が長いほど高額受給できるのが一般的です。
では、平均年収500万円で40年間会社員として働いた人の場合、老後の厚生年金と国民年金は合わせていくら受給できるのでしょうか。
本記事では、厚生年金・国民年金の平均受給額を解説するとともに、具体的な例を用いて受給額の目安をシミュレーションしていきます。
1. 厚生年金・国民年金の平均受給額をチェック
厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年における厚生年金の平均受給額は月額14万6429円、国民年金は5万7584円です。
厚生年金の平均受給額は国民年金より約9万円高額になっていますが、この差は2つの年金制度の仕組みの違いによるものです。
国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳までのすべての方が加入する制度です。
厚生年金は国民年金の2階建て部分に該当する制度で、会社員や公務員が加入します。
自営業や個人事業主など国民年金のみに加入している方が将来受給できるのは、国民年金のみになります。
一方、厚生年金に加入している方は、国民年金を含めた厚生年金を受給できるため、国民年金よりも受給額が高額になります。
国民年金は、男性・女性の平均額に大きな差はなく、ともに5万円台後半です。
しかし、厚生年金では、男性は女性より約6万円高額になっています。
厚生年金は、現役時代の年収や厚生年金への加入期間などにより受給額が計算され、年収が高いほど、また、加入期間が長いほど高額になるのが一般的です。
男性の方が女性よりも年収が高く加入期間が長い傾向があるため、受給額も高額になると考えられるでしょう。
ただし近年は、結婚や出産後もキャリアを継続する女性が増加していることから、これからの受給額の男女間格差は、時間の経過とともに縮小していくと見込まれます。
