2. 50歳からはじめる積立投資のメリット

シミュレーション結果からもわかるように、50歳からの積立投資でも、確かな資産を作ることが可能です。

場合によっては、この年齢からの投資開始が最適なタイミングとなり、老後の生活を豊かにするための有効な選択肢となることもあります。ここからは、50歳からの積立投資のメリットをお伝えします。

2.1 ライフイベントが一段落するタイミング

50歳代という時期は、子どもの独立や住宅ローンの完済など、人生の大きな支出の山を越える人が多くいるタイミングです。教育費や住居費といった負担が減少することで、家計に余裕が生まれやすくなります。

そのような場合には、老後を過ごすための資産形成に、しっかりと資金を回すことができるようになる傾向があります。資金的にも生活的にも、40歳代までと比較して少しの余裕が生まれることで、じっくりと腰を据えて投資について考えることができるようになるのです。

2.2 一般的な「収入のピーク期」を迎える

長年のキャリアを積み重ねてきた50歳代は、多くの人にとって収入がピークを迎える時期でもあります。特に男性の賃金カーブにおいては、多くの人が定年を迎える直前の50歳代では、キャリアの最終段階となり、統計においても収入が一番大きくなる時期です。

そのように、徐々に収入が安定し、ピークを迎えるような働き方をしている人にとって、50歳という年齢は、投資に回すお金を確保しやすい時期になり得ます。

老後資金として貯蓄をしているお金を投資に回すことで、退職を迎えるまでの期間で、無理なくお金を育てて老後資金を作ることが可能なのです。

2.3 老後の楽しみを作れる

50歳からの積立投資は、単に老後の不安を解消するためだけのものではありません。むしろ、老後の楽しみを作るための準備と捉えることができます。

「退職したら、夫婦で日本一周旅行がしたい」
「地方に移住して、ゆっくり暮らしたい」
「新しい趣味や学び直しに挑戦してみたい」

このように、引退後のセカンドライフで叶えたい夢を思い描き、その実現のために資産を育てていく。そうすることで、投資が単なる「作業」ではなく、未来の自分への期待感を高めてくれる「楽しみ」へと変わります。

健康寿命が延びる現代において、50歳からの積立投資は、その後の人生をより豊かにするための、賢明な選択と言えるでしょう。