1.1 書類の改正ポイント①事前確認票

内部確認用の「事前確認票」が改訂されました。従来は職員が等級を記載していましたが、今後は日常生活や就労状況など、客観的事実のみを記載する方式に変更されます。

改正前は「1級・2級」などの欄がありましたが、改正後は削除され、「職員特記事項」欄には認定医の判断に役立つ事実のみを記載する形に見直されます。

1.2 書類の改正ポイント②認定調書

また、審査結果をまとめる「認定調書」も変更されました。従来は「○級」と簡潔に記載されることが多かったのですが、今後は不支給や等級判断の理由を詳細に記載することが求められます。

改正後は、判断理由や参考要素を丁寧に記載し、透明性を高める方針です。

1.3 点検で見直された「総合評価」の要素

今回の点検で支給決定に至った事案では、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」における総合評価の要素がより重視されました。

  • 病状や状態像
    症状の経過や予後の見通しを、日常生活への影響として評価
  • 療養状況
    入院歴(期間・頻度・状態の安定度)や薬物治療の内容(種類・量・期間)を重視
  • 就労状況
    就労の有無だけでなく、仕事内容や職場での配慮、勤務日数などを詳細に評価

これらの改善策は、障害年金制度が個々の生活実態をより丁寧に把握し、適切な判定につなげるための取り組みです。日本年金機構は判定精度の向上に向け、真摯に対応を進めています。