師走に入り、慌ただしい日々をお過ごしの方も多いかもしれません。 年末は来年の計画を立てる時期でもあり、老後資金や年金制度について考える機会も増えるのではないでしょうか。

特に公的年金制度は、老後の生活を支える大切な柱ですが、制度が複雑で分かりにくいと感じている方も少なくありません。

本記事では、この最新の年金額改定の具体的な内容に加えて、日本の公的年金制度の基本的な仕組みを「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造から改めて確認します。

さらに、年金受給者たちの実際の平均受給額や受給額の分布といったリアルなデータも見ていきましょう。 また、2025年6月に成立した年金制度改正法の主要な変更点についても解説し、年金が老後の生活設計だけでなく、現役時代のキャリアプランにも深く関わっていることを明らかにします。

1. 【2025年度】年金額は前年度から1.9%引き上げ!

公的年金額は、物価や賃金を考慮して年度ごとに見直しがおこなわれており、2025年度は前年度より1.9%の引き上げとなっています。

年金額の例を見ると、厚生年金のモデル夫婦世帯(※1)は月額23万2784円、国民年金の満額(※2)は月額6万9308円です。

夫婦ともに国民年金のみ(満額と仮定)を受給する世帯の場合、二人分の合算額は13万8616円となります。

※1 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
※2 国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に65歳以降で受給できる年金額