3. 限度額引き上げの影響を受けるのはどの層?
限度額の引き上げによって、すべての被保険者の保険料が変わるとは限りません。限度額引き上げの影響を受けるのは、2025年度の上限である109万円の保険料を支払っている人々です。
現行の上限である109万円の保険料を支払っている人は、自治体の保険料の設定の仕方によっても異なりますが、約950万円以上の所得がある人です。該当する世帯数は、被保険者世帯のうち、1.37%程度とされます。よって、限度額引き上げの影響を受ける層は、決して多くはありません。
むしろ、中間所得層については、保険料の上昇を抑える効果があります。厚生労働省の試算では、現行の上限額と引き上げ後の上限額をもとに年収400万円の人の保険料を計算したところ、以下のようになりました。
- 現行:33万9000円
- 引き上げ後:33万8000円
わずか1000円ですが、保険料が少なくなる計算です。中間所得層にとっては、今回の上限引き上げは保険料負担を抑制してくれる措置であることをおさえておきましょう。
次章では、保険料負担に関する注意点について解説します。