日本では、純金融資産1億円以上を保有する世帯が増加傾向にあり、一般的な会社員や共働き世帯でも「知らないうちに富裕層の水準に達していた」というケースが見られます。

株式市場の上昇や資産運用の浸透などにより、多くの家庭が資産を伸ばしやすい環境になっていますが「平均的な家庭の貯蓄額」はどの程度なのでしょうか。

本記事では、日本における「富裕層・超富裕層の世帯数」と、年代別の単身世帯・二人以上世帯の「平均貯蓄額・中央値」を紹介します。

1. 【お金持ち世帯】日本に「富裕層+超富裕層」の世帯数はどのくらいいる?

株式会社野村総合研究所は、日本の世帯を対象として、純金融資産の保有額ごとの世帯数および資産規模を推計しています。

上記調査によると、純金融資産が1億円以上5億円未満の「富裕層」と、5億円以上の「超富裕層」を合わせた世帯数は165万3000世帯となりました。

  • 富裕層:153万5000世帯
  • 超富裕層:11万8000世帯

「富裕層と超富裕層」を合わせた世帯数は年々増えており、2021年の148万5000世帯から11.3%増加していることが明らかになっています。

1.1 なぜ「日本のお金持ち」は年々増え続けている?

株式会社野村総合研究所の資料によれば、2021年から2023年の間に、富裕層と超富裕層が保有する純金融資産は大きく増加しています。

富裕層では29.0%増(259兆円→334兆円)、超富裕層でも28.6%増(105兆円→135兆円)となり、両者を合計した総額も28.8%(364兆円→469兆円)拡大しました。

さらに、富裕層・超富裕層が持つ純金融資産の規模は、世帯数の推移と同じく、2013年以降増加傾向が続いています。

過去約10年間にわたり世帯数や資産総額が拡大してきた背景には、株式や投資信託といった金融資産の値上がりが大きく関与しており、これらのリスク資産を多く持っていた世帯ほど、価格上昇の恩恵を受けて資産が増加したのでしょう。

さらに、富裕層や超富裕層の人数が増えている要因として、相続を通じてまとまった資産を受け継ぎ、そのまま富裕層に移行する人が増えていることも一因とみられます。

なお、近年では「気づけば富裕層に到達していた世帯」や「共働きによって資産を積み上げ、富裕層となった世帯」も一定数存在しています。

1.2 近年増えている「いつの間にか富裕層」と「スーパーパワーファミリー」の存在

近年、株式市場の上昇やNISA制度の利用が広がったことにより、資産運用の成果が積み重なり、いつの間にか富裕層に分類されるようになった世帯が増えています。

野村総合研究所では、こうした層を「いつの間にか富裕層」と位置づけており、40〜50歳代の会社員であっても、着実に資産運用を続けてきた結果、1億円を超える金融資産を形成するケースが目立つようになりました。

さらに、共働きによって安定した収入を確保しつつ、50歳前後で富裕層に到達する「スーパーパワーファミリー」と呼ばれる世帯も存在します。

これらの世帯はいずれも、特別な生活をしているわけではなく、給与の範囲内で日々の暮らしを続けながら資産を蓄えてきた点が特徴です。

つまり、「気づけば富裕層になっていた」「共働きで着実に資産が増えた」といったケースがあるように、どの家庭も富裕層になる可能性は十分にあります。

では、一般的な世帯の「貯蓄額」はどの程度なのでしょうか。

次章では、年代別の「平均貯蓄額」と「中央値」を詳しく紹介します。

2. 【年代別】みんなの貯蓄額はいくら?世帯別の「平均貯蓄額・中央値」を見る

金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、20〜70歳代の単身世帯・二人以上世帯の平均貯蓄額は以下のとおりです。

年代・世帯別の平均貯蓄額・中央値3/3

年代・世帯別の平均貯蓄額・中央値

出所:金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」を参考に筆者作成

【単身世帯】20歳代〜70歳代の「平均貯蓄額(平均・中央値)」

  • 20歳代:平均値161万円・中央値15万円
  • 30歳代:平均値459万円・中央値90万円
  • 40歳代:平均値883万円・中央値85万円
  • 50歳代:平均値1087万円・中央値30万円
  • 60歳代:平均値1679万円・中央値350万円
  • 70歳代:平均値1634万円・中央値475万円

【二人以上世帯】20歳代〜70歳代の「平均貯蓄額(平均・中央値)」

  • 20歳代:平均値382万円・中央値84万円
  • 30歳代:平均値677万円・中央値180万円
  • 40歳代:平均値944万円・中央値250万円
  • 50歳代:平均値1168万円・中央値250万円
  • 60歳代:平均値2033万円・中央値650万円
  • 70歳代:平均値1923万円・中央値800万円

年代別の貯蓄額を見ると、単身・二人以上世帯ともに年齢が上がるほど貯蓄が増える傾向が明確です。

一方で、全ての年代で平均値と中央値の差が大きく、早い段階から積み立てや運用を行った世帯が平均値を押し上げている様子がうかがえます。

特に40〜50歳代では「資産が積み上がっている世帯」と「ほとんど貯蓄が進んでいない世帯」の差が大きく、その背景には日々の貯蓄習慣の違いが資産額にそのまま表れていると考えられます。

上記から、資産を築くうえで大切なのは収入の多さではなく「早く取り組み、無理のない形で継続していく姿勢」だと言えるでしょう。

3. 家計に合った資産形成を目指し、「続けること」を習慣にしよう

本記事では、日本における「富裕層・超富裕層の世帯数」と、年代別の単身世帯・二人以上世帯の「平均貯蓄額・中央値」を紹介していきました。

日本ではこの10年で富裕層・超富裕層が大きく増加しており、その背景には資産運用の成果や相続、そして共働き世帯の広がりなど、複数の要因が影響していると考えられます。

さらに、年齢が上がるにつれて平均貯蓄額が増える一方で、平均値と中央値の差が大きく、若い時期からコツコツと貯蓄や投資を続けてきた世帯が資産形成で優位になりやすいことがわかります。

資産形成において重要なのは、高収入かどうかよりも「早く始めて、続けることを習慣にすること」です。

小さな取り組みでも将来の安心につながるため、無理のない範囲で、今日できることから始めてみましょう。

※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。

参考資料

マネー編集部ウェルスマネジメント班