高齢者の生活は本当に厳しい？70歳代夫婦の「平均貯蓄額・生活費・年金額」をチェック

2025年もいよいよ師走。年末の慌ただしさとともに、家計のことが気になる時期ではないでしょうか。特にシニア世代にとって、物価の上昇は毎日の暮らしに大きな影響を与えています。

厚生労働省の調査によると、高齢者世帯の半数以上が「生活が苦しい」と感じているという厳しい現実が見えてきました。年金を主な収入源にしている中で、実際の収入と支出のバランスはどうなっているのでしょうか。

この記事では、公的な最新データをもとに、シニア世代の生活意識や家計の実態、そして老後の資産状況をわかりやすく解説します。ご自身の年金額や、ゆとりあるセカンドライフに必要な資金を考えるきっかけとして、ぜひ参考にしてください。

1. 高齢者の半数以上が「生活苦」を実感する現代日本の実情

はじめに、現代の高齢者が自身の暮らしをどのように感じているのか、厚生労働省の「2024（令和6）年国民生活基礎調査の概況」から見ていきましょう。

この調査では、高齢者世帯の生活意識に関して、以下のような結果が報告されています。

高齢者の生活意識

「大変苦しい」と「やや苦しい」を合計すると55.8％となり、半数以上の世帯が生活に何らかの厳しさを感じていることがわかります。

この結果から、高齢者世帯においては「普通」と回答した層よりも、生活に苦しさを感じている層の方が多いという現状がうかがえます。