4. 年金額を増やす方法
年金見込額で老後生活を賄うことが難しい場合、別途老後資金を準備するか、年金額を増やすことを検討する必要があります。
老後資金を準備するには、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)などを活用して計画的に資金運用を行うことが考えられます。不動産経営やアルバイトなどで不足分を補う収入を得るという方法もあるでしょう。
一方、年金額を増やそうとする場合、主な方法は次の3つです。
- 平均年収を高めて「平均標準報酬額」を上げる
- 定年後も仕事を続けて「厚生年金の加入月数」を増やす
- 繰下げ受給によって年金額を増やす
平均年収を高めることは難しい場合もあるでしょう。また繰下げ受給をするには、繰下げ待機中の生活費を確保しなければなりません。
最初に検討しやすいのは、定年後も仕事を続けることです。給与収入を確保することで、受給額を増やすとともに繰下げ受給も可能となります。
5. まとめにかえて
平均年収400万円と600万円の人の年金見込額は、40年就業で試算すると約45万円の差があります。平均年収400万円の人の見込額は約170万円(年額)、600万円の人は約215万円です。
厚生年金加入者の受給額に大きな格差が出る主な要因は、平均年収と厚生年金加入期間です。
年金額の計算の仕組みを理解して、老後に向けた働き方を検討しましょう。
参考資料
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
- 日本年金機構「報酬比例部分」
西岡 秀泰