2024年の財政検証を受けて、2025年に年金制度改正法が成立しました。

改正内容は多岐にわたりますが、会社員の人の中には年収によって年金見込額がどの程度変わるのか、気になる人もいるでしょう。

本記事では、平均年収400万円と600万円の人の年金見込額について解説します。年金額の計算方法や年金額を増やす方法も紹介しますので、これから年金を受給する人は公的年金の基礎知識として確認しておきましょう。

1. 厚生年金加入者の年金受給額は人によって大きく異なる

厚生労働省の「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給権者の平均受給額(2023年)は月14万6429円です。

厚生年金の受給額

厚生年金の受給額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

ただし、年金受給額は人によって大きく異なります。たとえば、男女別に見ると男性の平均受給額は月16万6606円に対し、女性は10万7200円と6万円近くも少ない状況です。

また、厚生年金受給権者のうち約20%が月10万円未満である一方、20万円以上の人が全体の15%以上を占めています。

受給額に大きな格差が生まれる理由は、厚生年金加入期間と平均年収の違いです。老齢年金の計算方法から、年金額に与える加入期間と年収の影響を見ていきましょう。