3. 【年金生活者支援給付金】対象者ってどんな人?

「年金生活者支援給付金」とは、公的年金の収入やその他の所得が一定の基準額に満たない場合に支給される給付金です。

この制度は老齢・障害・遺族年金のそれぞれに設けられており、公的年金に加算される形で2カ月に一度支給されます。

給付額は毎年度、物価の変動などに応じて見直される仕組みです。

3.1 2025年度版:年金生活者支援給付金の種類別支給月額を解説

厚生労働省の発表によると、2025年度の「年金生活者支援給付金」は前年度から2.7%の増額となり、この改定率は6月の支給分(4月・5月分)から適用されています。

3.2 老齢年金生活者支援給付金の支給額は納付期間・免除期間に応じて変動

老齢年金生活者支援給付金の計算式は次のとおりです。

基本は5450円ですが、次の①+②の合計額となります。

① 保険料納付済期間に基づく額(月額)=5450円 × 保険料納付済期間 / 480月
② 保険料免除期間に基づく額(月額)= A × 保険料免除期間 / 480月

②の金額Aは、老齢基礎年金を補完する目的で加えられる調整です。そのため以下のとおり、毎年度の老齢基礎年金の改定に応じて変動します。

【昭和31年4月2日以後生まれの方】
■保険料全額免除、3/4免除、1/2免除期間⇒1万1551円(老齢基礎年金満額(月額)の1/6)
■保険料1/4免除期間⇒5775円(老齢基礎年金満額(月額)の1/12)

【昭和31年4月1日以前生まれの方】
保険料全額免除、3/4免除、1/2免除期間は11518円(老齢基礎年金満額(月額)の1/6)
保険料1/4免除期間⇒5759円(老齢基礎年金満額(月額)の1/12)

仮に5450円となる方は、2カ月分をまとめて支給するので、1回あたりの支給額は1万900円となります。

3.3 障害年金生活者支援給付金の支給額は「障害等級」によって変わる

障害年金生活者支援給付金の支給額は以下のとおりです。

  • 1級は月額6813円
  • 2級は月額5450円

障害年金生活者支援給付金は、障害等級が1級か2級かによって支給額が設定されています。障害等級は厚生労働省「障害等級表」にて掲載されていて、基本的に障害の程度が重い方が1級です。

仮に1級の方は、1回で6813円を2カ月分すなわち1万3626円を受け取る仕組みです。

自身や家族の障害等級の確認や認定方法については、医療機関等に確認しましょう。

3.4 遺族年金生活者支援給付金の1人あたり支給額は遺族となる子どもの数で変わる

遺族年金生活者支援給付金の給付額は、基本は5450円(月額)です。2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5450円を子の数で割った金額となります。

たとえば、2人の子が遺族基礎年金を受給している場合の金額は次のとおりで、1人あたり2725円です。

5450円 ÷ 2 = 2725円(月額)

なお、計算結果に50銭未満の端数が生じたときは切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときは1円に切り上げとなります。遺族となる子どもが多い世帯ほど、給付額は少なくなる仕組みとなっています。

こちらも受け取る時には2カ月分を一度に受け取るため、1回あたりの受取額は次の計算式となります。

1回あたりの受取額=1万900円*÷(遺族となる子ども人数)
*5450円の2カ月分