株価が大暴落しているとき、私たち個人投資家はどう対処したらよいのでしょうか。その「状況下」で、たじろがずに冷静でいるというのはもっとも必要なことですが、それに対峙する前にできることがあります。今回はそうした「心理的安全性」をいかに確保できるかについて考えてみましょう。
現金残高(キャッシュポジション)をしっかり確保する
そもそも株式はリスク性資産です。株価は上下して当然といえます。リスクとリターンはちょうどコインの表と裏のように、一体です。リスクをとっているからリターンがあるのであって、リスクをとらなければ預貯金のようなリターンとなるはずです。
自分の資産をすべて株式に投資をしているという方は少ないでしょうが、現預金をしっかり持っておくことで、大暴落時でも心理的には余裕が保てるでしょう。
資産が100あるとして、株式の保有割合が20であったとしましょう。その20が半分になっても10の損失で済みます。その程度の損失であれば、その後に資産規模を回復させることも十分に可能です。
重要なのは株価が大暴落した後に、買い出動できる現預金があるかどうかです。
バランスシートがしっかりした銘柄を選ぶ
株価が大暴落する際に真っ先に売られるのは、バランスシートが良くない銘柄です。
その理由は、景気が悪化するとどの企業も売上が伸び悩んだり、減少します。その際に当期純利益が赤字なる企業も出てきます。当期純損失は株主資本を直撃し、財務体質を悪化させます。結果、外部資金調達が難しく、倒産する可能性が高まるのです。
そうしたアクシデントに見舞われないためにも保有銘柄のバランスシートはしっかりチェックしておきましょう。
トレーディングなどの短期志向銘柄を選ばない
「デイトレ」や「スウィングトレード」なるキーワードが投資家心をくすぐりますが、そうしたトレーディンが機能するのは、株式市場が「平時」の時です。
ひとたびパニック的な売りに陥ると、そうしたトレーディングを活かせる場面も大きく減り、売り一色です。
株式市場が「平時」の場合にはトレーディングも結構ですが、いつ来るかわからないのが大暴落です。したがって、日頃から短期志向に陥らないことが「吉」といえます。トレーディングといえばカッコいい耳障りですが、本格志向の投資家から言わせると「日ばかり」です。
IPO銘柄は避け歴史のある銘柄を選択する
IPO銘柄には俗にいう「上場ゴール」銘柄なども含まれます。
新規上場企業にもリクルートのような長い歴史を重ねてきた企業も時折ありますが、実績を積み上げてきていないベンチャー企業がIPOするというケースも多いです。
株式市場は大暴落時には歴史を振り返ります。
「この企業はあの時も生き残ったのだ。今回も大丈夫だろう」
歴史を知る投資家はこのように考えます。
では、歴史のない企業に対してはどう考えるのでしょうか。
「この企業大丈夫かな。いったん売却をしておこう」
こうして新興企業の株価は大暴落時には大きく下落していくのです。世界を代表する投資家ウォーレン・バフェットもIPOは嫌いだといいます。その理由の一部が先の株式市場の思考プロセスから読み解けるのではないでしょうか。
大暴落したら買い増しするリストを作っておく
株式市場が大暴落するときに不安になるのではなく、ワクワクするためにはどうしたらよいのでしょうか。
モノは考えようです。
大暴落になったら買いたいリストを作成しておくのです。たとえば、以下のような基準で作ってみてはどうでしょうか。
- バランスシートが強硬な銘柄
- バリュエーションが安い銘柄
- リーマンショック時でも赤字にならなかった銘柄
- 企業の歴史が20年以上ある銘柄
- 営業利益率が10%以上ある銘柄
こうしてみることで、株式市場の大暴落を前に心理的安全性を確保できるだけではなく、大暴落を愉しむことさえできるのです。