1. 投資シミュレーション

それでは早速、35歳から30年間の積立を想定した投資シミュレーションを、3%と5%という2つの利回りを用いて行っていきます。

1.1 パターン1〜利回り3%〜

【前提条件】

  • 積立金額:月2万円
  • 積立期間:30年間
  • 年利回り:3%

将来の運用資産額(利回り3%)

将来の運用資産額(利回り3%)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

【投資結果】

  • 投資元本:720万円
  • 運用収益:437万円
  • 投資後資産額:1157万円

年利回り3%による試算では、30年間の積立投資で得られる運用益は437万円となります。投資結果として華々しい数字ではないかもしれませんが、銀行にただ預けるだけの預金と比較すれば、その差は歴然です。地道ながらも着実に資産形成ができる結果となります。

例えば、高いリターンを追求する投資を行う場合には、市場動向を頻繁にチェックして、専門知識に基づく判断をしなければならず、タイミングを誤れば元本を大きく割り込む可能性もあります。

これに対し、市場価格とした連動したインデックスファンドへの長期的な積立投資は「派手さはないが堅実」という特徴があります。長期的に投資をすることで、市場の一時的な変動に結果が左右されにくく、リスクを緩和できるため、投資初心者や忙しい方でも無理なく続けられます。

新NISA制度を使った投資を成功させるためには「過度な期待をしないこと」です。 目標を高く持ちすぎず、焦らずコツコツ続けることで、着実な資産形成のステップを踏むことができます。

1.2 パターン2〜利回り5%〜

【前提条件】

  • 積立金額:月2万円
  • 積立期間:30年間
  • 年利回り:5%

将来の運用資産額(利回り5%)

将来の運用資産額(利回り5%)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

【投資結果】

  • 投資元本:720万円
  • 運用収益:911万円
  • 投資後資産額:1631万円

利回り年5%でのシミュレーションでは、30年間の積立投資による運用利益は911万円に達します。最終資産額は投資元本の約2.2倍となり、しっかりと資産形成ができる結果となりました。

もちろん、投資のプロであっても将来の運用成績を正確に予測することは不可能であり、「この商品なら確実に平均利回り5%のリターンが得られる」と断言できるものはありません。しかし、今までの推移を見る限り、世界的な経済市場は、短期的には上下動を繰り返しながらも、長期的には成長を続けています。

そのため、30年という長期的な投資を行うことで、年平均5%程度のリターンを実現できる可能性は決して低くありません。