吉野家HDに限らず、直営店主体の上場外食チェーンの多くは増収基調にあります。「すき家」や「なか卯」などを展開するゼンショーホールディングスや「松屋」で有名な松屋フーズホールディングスなども、足元の「売上高」は好調です。

一方で、牛丼・牛めしチェーン店には限りませんが、事業運営にパートやアルバイトなどの人手を多く必要とする企業であれば、人件費の高騰により、販売管理費は圧迫されます。

人件費関連には採用や教育などの費用も含まれますが、その増加には時給額の上昇が大きく影響を与えています。実際の時給がどの程度で推移しているのか、東京都の最低賃金(時給)の推移を見てみましょう。

東京都の最低賃金は10年前の約30%増に

下記が、東京都の最低賃金(時給)の1998年(平成10年度)以降5年毎の推移と2018年度(平成30年度)賃金水準です。

  • 平成10年度(1998年度):692円
  • 平成15年度(2003年度):708円
  • 平成20年度(2008年度):766円
  • 平成25年度(2013年度):869円
  • 平成29年度(2017年度):958円
  • 平成30年度(2018年度):985円