2019年に120周年を迎えた牛丼チェーンの「吉野家」。同チェーンを展開している吉野家ホールディングス(吉野家HD)は、業績面で厳しい状況に置かれています。安くておいしい、温かい食事がいただけると定評のある吉野家ですが、今後において値上げはあるのでしょうか。業績資料などを基に見ていきます。

売上高好調でも収益が苦しいワケとは

2019年1月10日に発表された2018年Q3累計(3-8月期)決算に公表された2019年2月期通期の業績予想は、(親会社株主に帰属する)当期純損益11億円の赤字が見込まれています。

年間売上高2000億円を誇る外食チェーンが赤字というだけでも驚きですが、吉野家HDは増収にもかかわらず赤字を余儀なくされています。

主な原因として、原価率の上昇や人件費の高騰が挙げられます。吉野家HDだけではなく、他の国内外食チェーンにおいても大きな課題となっています。

今後吉野家HDは、もはや構造問題といってもよい人件費高騰を乗り越えて、復活を果たす事ができるのでしょうか。

売上高も増えるが、販管費もまた増える

吉野家HDの2018年3-11月期の売上高は、1500億円と前年同期比+2%増となりました。しかし営業損失は5億6200万円、純損益は15億5800万円の赤字です。店舗撤退などによる減損損失の発生や、人件費の高騰が響きました。