新しい年を迎え、お正月気分が抜けると考えるのが「お金」の問題です。1月は年末年始のイベントや孫へのお年玉、帰省費用などで出費がかさみ、通帳の残高が心許なくなっている方も多いのではないでしょうか。

さらに、厳しい寒さが続くこの時期は、暖房費による電気代やガス代の高騰も家計を直撃します。

そんな中、待ち遠しいのが次回の年金支給日です。通常は15日ですが、今回は曜日配列の関係で「2月13日」に前倒しで振り込まれます。

実はこの日、条件を満たした方には年金とは別に「年金生活者支援給付金」が上乗せして支給されることをご存じでしょうか。

物価高が続く今、少しでも家計の助けになるこの制度について、誰が受け取れるのか、どのくらいの金額になるのかを解説します。

1. 年金生活者支援給付金はいくらもらえる?「ひとり1万900円」上乗せされる対象者とは?

2025年度は物価上昇などの影響を受け、給付基準額が前年より2.7%引き上げられました。

支援給付金の給付基準額1/5

出所:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

※1 基準額であり、実際の金額は保険料納付済期間や保険料免除期間等に応じて算出されますので、支給金額は2.7%の増額とならない場合があります。算出方法は「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」をご参照ください。
※2 障害年金の等級に応じて給付基準額が異なります。
※3 2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合、この基準額を子の数で割った金額がそれぞれに支払われます。

  • 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(+140円)
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円(+175円)・2級5450円(+140円)
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円(+140円)

ただし実際の、年金生活者支援給付金の支給額は、上記の給付基準額をもとに「保険料納付済期間などに応じて計算される」しくみとなっています。

たとえば、老齢年金生活者支援給付金の支給対象者が、給付基準額と同じ額を受給できる場合、次回の年金支給日となる2月13日に、老齢年金生活者支援給付金が1万900円※上乗せされることになります。

※12月分と1月分の年金生活者支援給付金を合わせた額です。

2. 【年金生活者支援給付金】2月13日の年金支給日に上乗せ支給される対象者とは?

基礎年金を受給していて、年金などの収入が一定基準を下回る方を対象に、年金に上乗せして「年金生活者支援給付金」が支給されます。

年金生活者支援給付金制度2/5

年金生活者支援給付金制度

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」

2.1 老齢年金生活者支援給付金「支給要件」

【支給要件】

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

2.2 障害年金生活者支援給付金「支給要件」

【支給要件】

  • 障害基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※1)が479万4000円(※2)以下

※1 障害年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。

2.3 遺族年金生活者支援給付金「支給要件」

【支給要件】

  • 遺族基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※1)が479万4000円(※2)以下

※1 遺族年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。

3. それぞれの給付金の支給額の詳細は?

基本的な支給額は先ほど紹介した通りですが、年金生活者支援給付金の給付金額はさまざまな要件によって変わる場合があります。3つの給付金の支給額の計算方法を見てみましょう。

3.1 老齢年金生活者支援給付金の支給額

月額5450円を基準に、保険料納付済期間等に応じて算出され、次の(1)と(2)の合計額となります。

  • (1)保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5450円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
  • (2)保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1551円 × 保険料免除期間/ 被保険者月数480月

給付金額の算出のもととなる保険料納付済期間は、年金証書や支給金額変更通知書等で確認できます。(2)の「保険料免除期間に基づく金額」は、毎年度の老齢基礎年金の額の改定に応じて変動します。

2025年時点においては、昭和31年4月2日以後生まれの方は、保険料全額免除、3/4免除、半額免除期間については1万1551円(老齢基礎年金満額(月額)の1/6)、保険料1/4免除期間については5775円(老齢基礎年金満額(月額)の1/12)です。

昭和31年4月1日以前生まれの方は、保険料全額免除、3/4免除、半額免除期間については1万1518円(老齢基礎年金満額(月額)の 1/6)、保険料1/4免除期間については5759円(老齢基礎年金満額(月額)の1/12)となります。

たとえば、以下のようなケースでは、基本金額の月額5450円となります。

3.2 障害年金生活者支援給付金の支給額

障害者年金生活者支援給付金の支給額は、以下のとおり2段階となっています。

  • 障害等級が2級の方: 5450円(月額)
  • 障害等級が1級の方: 6813円(月額)

障害等級は、厚生労働省が「障害等級表」にて定めているもので、基本的に障害の程度が重い程数字の小さい(すなわち1級が最も重い)ものとなります。

等級の認定方法など不明な方もしくはその家族の方は、厚生労働省もしくは医療機関にお問い合わせください。

3.3 遺族年金生活者支援給付金「支給要件」

遺族年金生活者支援給付金の支給額は以下のとおりです。

  • 5450円(月額)

ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5450円を子の数で割った金額がそれぞれにお支払いとなります。

上記のように、3人の子がいる場合は、5450円を3人で分けます。1円未満の端数は四捨五入で1円単位に調整したうえで支給します。

4. 【申請しないともらえない】年金生活者支援給付金の請求方法は?

年金生活者支援給付金の注意点は、申請しないともらえないことです。

たとえ支給要件を満たしていても、請求手続きを行わなければ受給できませんのでご注意ください。

なお、すでに年金を受給している方が、新たに年金生活者支援給付金の支給要件を満たしたケースだと、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が毎年9月以降に郵送されます。

「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」に必要事項(氏名、電話番号等、日付)を記入して、指定された期限までに返送すると申請が完了するしくみです。

一度給付金の受給が認められた場合、支給要件を翌年以降も満たしているのであれば、基本的に再申請の必要はありません。

5. ハガキが届いたら要手続き、月額5000円程度の手厚い支援

年金生活者支援給付金は、所得が一定以下の年金受給者の生活を支えるための重要な制度です。受け取れる金額は保険料納付済期間などで異なりますが、老齢基礎年金を受給している場合、月額5000円程度(基準額)が目安となります。

新たに支給対象となる方には、日本年金機構から請求書(ハガキ)が届いている可能性があります。この手続きを忘れると受け取れないため、未開封の郵便物がないか今一度確認しましょう。

すでに受給している方は、要件を満たす限り自動的に更新され、2月13日の年金支給日に振り込まれます。大切な老後資金を守るため、ご自身や親御さんが対象になっていないか確認しておくことが大切です。

参考資料