世界的に株価が大幅に調整した1週間

先週(2015年9日‐11月13日)、世界の主要株式市場は日本市場を除いて軒並み下落しました。特に米国のS&P500指数は▲4%ほど下落しています。

米国で12月の利上げが近づく中で、中国の10月の景気指標が景気の減速を示唆し、資源価格が全般に大きく下げました。

さらにアップルをはじめとしてテクノロジー系の株も軟調でした。象徴的なのは、中国の「独身の日」(11月11日)に過去最高の約1.76兆円の売上を記録したアリババの株価が下落していることです。

なお、日本株は9月期の決算を大きな波乱なく通過しました。日本郵政グループの各社の株価が公募価格をしっかり上回っています。

先週の主要市場の動き
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注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

年初来の主要市場の動き
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注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

日銀の次の政策を睨む1週間へ

フランスで起きたテロ事件による影響も気になるところですが、今週(11月16日‐11月20日)の注目ポイントは日本の金融政策と資源価格の行方でしょう。

日銀の金融政策決定会合が18日・19日の2日間予定されています。その直前の16日に発表される7‐9月期のGDPにも注目が集まると思われます。

年初来の主要株式市場の中で日本株は最も良好なパフォーマンスを示していますが、日銀の追加緩和期待が大いに影響していると思われます。

追加緩和の政策効果、日銀の財務健全性の確保、そして出口戦略の道筋について十分な説明を期待したいところです。

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資源価格の動向にも注目が続きます。原油だけでなく、金属、貴金属など幅広い商品価格が今年の安値を付けようとしています。

生産者間の競争の側面もありますが、米利上げに対する懸念や、中国など新興国における軟調な需要動向も影響していると考えられます。この動きは、世界景気の警戒信号と見なすことができそうです。

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さまざまなチャートを眺めていると、どうもリスクオフの様相が強まりそうに思えます。世界景気がコツンと底を打つまでは、楽観論と警戒論が交錯し価格の変動性が高まりそうです。

日本市場も旭化成、東芝など海外投資家に日本全体の問題ととらえられかねない課題を抱えています。まずは日本の株式市場のガバナンスが果たすべき機能を発揮する時でしょう。

LIMO編集部