高齢者「生活苦しい」は5割超。70歳代の夫婦世帯の平均貯蓄額・月の生活費・年金額っていくらなのか？

朝晩の冷え込みが厳しくなり、師走が近づく2025年11月です。年末に向けて物価の動向も気になるところですが、特にシニア世代の家計は厳しい現実を突きつけられています。

厚生労働省の調査によると、高齢者世帯の半数以上が「生活が苦しい」と感じており、この数字は長引くインフレの影響でさらに深刻化している可能性があります。

年金が主たる収入源となる老後において、平均的な収入と支出の実態はどうなっているのでしょうか。総務省の家計調査からは、70歳代の無職夫婦世帯で毎月2万円超の赤字が発生しているというデータが示されています。

本稿では、最新の公的データに基づき、シニア層のリアルな生活意識や家計の収支、そして老後の資産状況を多角的に分析します。将来の不安を解消し、豊かなセカンドライフを送るために、知っておくべき年金受給額や必要な老後資金について詳しく解説していきましょう。

1. シニアの5割超が「生活が苦しい」と感じている厳しい現実…。

まず、厚生労働省の「2024（令和6）年国民生活基礎調査の概況」をもとに、現代の高齢者が抱く生活意識を見ていきましょう。

上記調査によると、高齢者世帯の生活状況について次のような結果が示されています。

高齢者の生活意識

「大変苦しい」「やや苦しい」を合わせた、いわゆる「苦しい」と回答した人の割合は55.8％に達しています。

つまり、高齢者世帯では「普通」と答えた人よりも、生活に厳しさを感じている人のほうが多い状況となっています。