2. 積立月額の違いによる比較
シミュレーション結果から「利回り5%で1000万円を達成」するためには、月額3万円の積立では18年間、月額10万円の積立では8年間の期間が必要であることがわかりました。ここからは、シミュレーション結果の比較によってわかる積立投資のポイントを解説していきます。
2.1 投資金額と期間
まず最も明らかなポイントとしては「達成までに必要な積立期間」です。
月額3万円の投資では18年かかるものが、月額10万円だと8年で1000万円に到達するため、期間として約2.25倍の違いがあります。資金に余裕があり、できるだけ早く1000万円を到達したい場合には、このように月額投資を高く設定することが有効な手段となります。
2.2 利益率の違い
次のポイントは、2つの投資結果における利益率の違いです。パターン1では、18年と長期的な投資期間が必要になるため、投資総額に対する運用利益が388万円となり、利益率は約60%です。長期的に投資を行ったことで、複利の力が働き、利益率が高くなります。
一方でパターン2の場合、月額投資額が高いことで投資期間が8年と短くなるため、投資総額に対する利益額は159万円、利益率は約19%と、パターン1の3分の1以下です。これは、投資期間が短いため、パターン1と比較して複利効果が十分に発揮されておらず、資産の成長力が限定的な結果となっています。
少ないお金をコツコツと育てて大きな利益を出していきたい場合には、パターン1のように、長期的に目標金額達成を目指す投資が適しています。
2.3 元本額の違い
前述したように「利益率が異なる」ということは、すなわち同じ1000万円を達成するために必要な元手額が異なることを表しています。
パターン1では、648万円の元本で1036万円達成しており、最終資産が元手の1.6倍になっています。一方でパターン2では、840万円の元本に対して999万円達成の資産となっており、1.19倍という結果です。
パターン2では、短期間で1000万円という高い目標を達成することができますが、それはあくまでも月々の出費を多く捻出した結果であり、複利効果を活かしてお金を大きく育てることができているのは、パターン1の方なのです。