日本にとって、中国は最大級の輸出相手国となります。その貿易構造を理解することは日本経済の現状を把握する上で欠かせないでしょう。

一方で、過去の輸入停止措置を教訓として、水産物などの分野ではすでに輸出先の多様化が進められています。

この記事では、農林水産省が発表した2024年の農林水産物・食品の輸出に関する資料をもとに、過去に講じられた中国の輸入規制が、日本の輸出全体にどのような影響を及ぼし、多様化がどの程度機能したのかを見ていきます。

1. 過去、中国が講じた日本の水産物「輸入停止」

中国政府は、ALPS処理水の海洋放出に伴い、2023年8月24日以降、産地が日本である水産物(食用水産動物を含む)の輸入を全面的に一時停止しました。

しかし、この後、2025年6月29日に規制が一部緩和されています。