社債とは企業が借金をする際に発行する債券です。高利回りの社債を発行する企業とは、金利を高く払ってでも資金を確保したい、つまりその企業は資金不足に苦しんでいるということを示唆しています。資金が不足しているということは倒産する確率も高く、あなたが提供した資金が戻ってこないことすらあるわけです。

実際、そのような事例も多々あります。年利5%以上の商品がズラッと並ぶソーシャルレンディングサービスでは、近年貸し倒れや返済遅延などのトラブルが出てきています。高利回りをうたった私募の社債などでは、貸し倒れどころか実は詐欺だったというケースが度々メディアでも取り上げられています。

レバレッジをかける

次の「レバレッジをかける」とは自己資金だけでなく、他人資本も利用して投資を行うことをいいます。たとえば、1億円の不動産へ投資する際、自己資金1000万円に加えて9000万円の借金をして購入したとしましょう。この場合、自己資金の10倍の資産を運用している状態なので「レバレッジは10倍である」といった言い方をします。

このケースで不動産価格が3%上昇したとすると、1億円の3%である300万円が投資家の利益となります。自己資金は1000万ですので、実際の利回りは10倍の30%と非常に高い利回りを獲得したことになります。逆に不動産価格が10%下落した場合、投資家の損失は1000万円となって、自己資金を全て吹っ飛ばしてしまうことになります。

まとめ

高利回りを主張する金融商品には、このようなレバレッジを活用した仕組みのものもあります。高い利回りが達成するかもしれない反面、大きな損失を受けてしまう高いリスクがあるのです。

以上のように、簡単に高い利回りを稼げるようなうまい儲け話はないと思った方が賢明です。仮にそのような商品に興味を持った場合でも、高利回りを実現するためには高いリスクを負っているということを認識し、きちんと商品の内容や仕組みを理解・納得した上で資金を投じるようにしましょう。

土門 善行