5. コラム:「住民税非課税世帯」とはどんな世帯?
老齢年金生活者支援給付金の支給要件に含まれる「住民税非課税世帯」という区分は、さまざまな公的支援や給付金の対象判定基準として広く用いられています。
5.1 《住民税のキホン》均等割・所得割ともに支払い免除=「住民税非課税」
住民税は、住んでいる都道府県や市区町村に支払う地方税で、その地域の公共サービスやインフラ整備の財源となります。
個人住民税は、所得に応じて税額が決まる「所得割」、所得に関係なく一律課税となる「均等割」の合計です。
「住民税非課税」は、均等割・所得割どちらも免除となるケースです。そして世帯全員が住民税非課税となる世帯は「住民税非課税世帯」となります。
※なお「住民税の所得割のみ非課税」となる区分もあります。
5.2 住民税が非課税となる要件は3つ
以下の3つのいずれかに該当する場合、住民税が非課税となります。
- 生活保護を受けている
- 障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で、前年の所得が135万円以下である
- 前年の所得が各市町村の基準を下回る
上記の1と2は全国共通の要件ですが、3の所得要件については、自治体ごとに基準が異なります。
また、同じ所得基準であっても、扶養親族の人数、収入の種類、年金収入の場合は年齢などによって、非課税となるボーダーラインは変動します。
ご自身の世帯が住民税非課税世帯に該当するかどうか、または何らかの支援制度の対象となるかについて詳しく知りたい場合は、お住まいの市区町村の窓口にお問い合わせいただくことをお勧めします。
6. まとめにかえて:年金生活者支援給付金「緑の封筒」はほったらかし厳禁!
2025年度の「年金生活者支援給付金」について、支給額から対象者の要件、そして住民税非課税世帯の定義まで解説しました。
老齢基礎年金が満額でも月7万円弱(2025年度)であることを考えると、この給付金が生活を支える上で重要となる方もいらっしゃるでしょう。
本記事で最もお伝えしたい重要な点は、この給付金は対象者であっても「申請しなければ受け取れない」ということです。
すでに年金を受け取っている方が新たに支給対象となった場合、毎年9月頃に日本年金機構から届く「緑の封筒」に入った請求書が、給付金を受け取るための鍵となります。この重要なお知らせを「ほったらかし」にせず、必ず手続きを行ってください。
ご自身やご家族の生活を支える可能性のあるこの制度について、ぜひ対象となる要件を改めて確認しておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和7年度版)」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 総務省「個人住民税」
マネー編集部社会保障班
