2. 成年後見制度、お金の管理など暮らしをサポート

身近な問題である「銀行や役所での窓口対応」や「電話の対応」など、法的な保護を必要とする困りごとも多くの方が感じています。これらの不安を解消し、安心して暮らすための土台となるのが成年後見制度です。

成年後見人などは、自身に代わって銀行で手続きをしたり、福祉サービス・介護の手続きや契約のお手伝い、保険料や税金の支払いを手伝ってくれます。また、よくわからないままに結んでしまった契約の取り消しも可能です。

2.1 制度利用者の約9割が同じ理由「その内容とは?」

最高裁判所のデータによると、成年後見制度を利用する理由として最も多いのは、預貯金の管理や解約といったお金まわりの手続きが難しくなるためです。実際に、制度を利用した人の約9割(92.7%)がこの理由を挙げています。

認知症などで本人の判断能力が低下すると、家族であっても銀行口座を自由に使えないことがあり、医療費や介護費の支払いが滞るリスクが生じます。成年後見制度は、こうした「お金の管理ができない」問題を解決し、生活を守るための大切なしくみなのです。

2.2 成年後見人などに「お願いできないこと」の線引き

ただし、成年後見人等にお願いできない業務もあります。

これには、食事をつくる、掃除をする、ティッシュなどの日用品の買い物を代わりにする、手術の決定、実際に介護をする、といった生活援助や医療行為の決定は含まれません。これらは別途、介護サービスなどを利用する必要があります。