暦の上では立冬を過ぎ、冬支度を始める季節になりました。年末調整の書類が配られるこの時期は、税金や家計、そしてこれからの暮らし方を見直す良いきっかけになります。
2025年度(令和7年度)の公的年金額も発表され、夫婦2人のモデルケースでは月額23万2784円とされています。数字だけを見ると安心に思えるかもしれませんが、実際には男女で平均約6万円の差があり、働き方次第では受給額が半分以下になることもあります。
本記事では、この「個人差」という現実に目を向け、将来をより具体的に考えるためのデータを紹介します。
年金額の分布やライフコース別モデル、高齢世帯の収入実態など、生活設計に役立つ情報をわかりやすくまとめました。
1. 公的年金は「2階建て構造」
公的年金は「2階建て構造」などと表現されます。
これは、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」、2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。
1.1 《1階部分》国民年金
- 加入対象者:原則として日本に住む20歳以上から60歳未満の全員
- 年金保険料:全員一律、ただし年度ごとに改定あり(2025年度月額:1万7510円)
- 受給額:保険料を40年間欠かさず納付すれば満額(2025年度月額:6万9308円)
1.2 《2階部分》厚生年金 ※国民年金に上乗せで加入
- 加入対象者:会社員や公務員、またパートなどで特定適用事業所(※1)に働き一定要件を満たした人
- 年金保険料:収入に応じて(上限あり)変わる(※2)
- 受給額:加入期間や納めた保険料により個人差あり
※1 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※2 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
国民年金には、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員が原則加入し、一律の年金保険料を納めます。
一方で厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料を納めるしくみです。
