お盆の帰省で、実家の郵便物や親のスマートフォンをまとめて確認する家庭もあるのではないでしょうか。
日本年金機構は2026年8月から、公金受取口座を未登録の年金受給者に「意向確認書」を簡易書留で順次発送しています。今回の対象となるのは、令和8年4月15日時点で65歳以上、つまり昭和36年4月16日以前生まれの年金受給者です。
この記事では、次の3点を整理してお伝えします。
- 意向確認書のしくみと、届いた場合の対応先
- マイナポータルで公金受取口座を登録済みの場合の扱い
- 万一のときに慌てないための「年金の10日ルール」
元自治体職員として後期高齢者医療を担当していたころ、書類の真偽をたずねる相談は年々増えていました。窓口で聞いた不安の声もあわせてお伝えします。
1. 8月から届く「意向確認書」の中身
今回届く書類の正式名称は「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書」で、本記事では以下「意向確認書」と呼びます。
いま年金を受け取っている口座を、そのまま「公金受取口座」としても使ってよいかどうかを、本人に確認するための書類です。
実は、この意向確認書には少し特殊なしくみが採られています。順番に確認していきましょう。
1.1 登録を希望する人は手続き不要のオプトアウト方式です
日本年金機構の特設ページでは、公金受取口座への登録を希望する場合は「お手続きは不要です」と明記されています。逆に登録を希望しない場合は、意向確認書の下部にある「公金受取口座登録不同意申出書」を切り離して返送する必要があります。
受け取ってから45日以内に不同意申出書の返送がなければ、年金振込口座を公金受取口座として登録することに同意したものとして扱われます。「何もしないと自動的に登録される」というしくみです。
登録を望まない人ほど、届いた書類をそのままにしないよう気をつけたいところです。
1.2 対象は「令和8年4月15日時点で65歳以上」の人
日本年金機構の特設ページによると、今月の送付の対象は「令和8年4月15日時点で65歳以上(昭和36年4月16日以前生まれ)の年金を受給している方」とされています。
すでに公金受取口座を登録済みの人には送られません。未登録で年齢要件を満たす人にだけ届く書類です。
送付は生年月日別に段階を分けて進められています。同じ年齢層でも、届く時期に幅があるという点は覚えておきたいところです。
1.3 簡易書留で届くのが本物です
意向確認書は「簡易書留」で送られます。ポストに投函される通常郵便ではなく、受取人が受領印を押して受け取る形式です。
日本年金機構は特設ページで、「日本年金機構、厚生労働省およびデジタル庁から、電話、SMS、メールで口座番号等の提供を求めることはありません」と明言しています。突然の電話やショートメッセージで口座番号を聞かれた場合は、本物ではないと考えて差し支えないでしょう。
意向確認書について、くわしくはこちらの記事で解説しています。
2. 問い合わせは専用フリーダイヤルのみが対応
意向確認書について不明点がある場合、問い合わせ先は日本年金機構が用意した「意向確認書照会専用フリーダイヤル」に限られます。ここが今回の書類のいちばん特殊な点です。
2.1 0120-74-0011のみが窓口です
専用フリーダイヤルの番号は「0120-74-0011」です。市区町村役場の窓口、年金事務所の窓口、通常の「ねんきんダイヤル」、街角の年金相談センターでは、意向確認書に関する手続きや相談は受け付けていません。
この点は非常に間違えやすいところで、「困ったらまず年金事務所に」という発想では、二度手間になってしまいます。
2.2 受付時間と有料の代替番号
フリーダイヤルの受付時間は次のとおりです。
- 月曜日:午前8時30分から午後7時まで
- 火曜日から金曜日:午前8時30分から午後5時15分まで
- 第2土曜日:午前9時30分から午後4時まで
日祝と第2土曜以外の土曜日は営業していません。フリーダイヤルにつながらない場合として、通話料が発生する「050-3524-7372」も案内されています。
3. マイナポータルで登録済みの場合はどうなるか
公金受取口座をすでに登録している人にも意向確認書が届くのか、疑問に感じる方もいるかもしれません。基本的なしくみを確認しておきましょう。
3.1 登録済みの人には原則届かないしくみです
意向確認書は、公金受取口座が「未登録」の年金受給者に送られる書類です。マイナポータル経由で公金受取口座を登録済みの場合は、原則として送付の対象外となります。
ただし、「登録したはずなのに届いた」ケースがまったく起きないとは言い切れません。書類が届いたときは、まず簡易書留の表記と同封の説明文を確認しましょう。
3.2 スマホを機種変更したあとに不安な方へ
「マイナポータルは古いスマホで登録した」「新しい機種に変えてから開いていない」という方は、公金受取口座の登録状況が気になるところです。
マイナポータルに登録した公金受取口座の情報自体は、スマートフォン本体ではなくデジタル庁側で管理されているしくみと案内されています。ただし、細かな条件や機種変更後のログイン手順については、マイナポータル公式FAQで確認するのが確実です。
不明点は、意向確認書に関する内容であれば専用フリーダイヤル、マイナポータルの操作であれば公式FAQと、問い合わせ先を分けて対応するとスムーズです。

