4. 【損害賠償金等に関する情報】加害者から受け取った治療費、慰謝料及び損害賠償金等は課税?非課税?

できれば日常生活の中で遭うことがないほうが望ましい「ハラスメント」や「迷惑行為」。

しかし、残念ながら、私たちの身近な場所でこれらの問題は発生し、被害に遭った人の心身を傷つけ、平穏な生活を脅かすこともあります。

その行為がエスカレートしたり、悪質性が高い場合には、精神的・物理的な損害賠償を求めて裁判に発展するケースもあります。

できれば無いことを祈りたい裁判ですが、万一裁判となり、あなたが被害者の立場で法廷で闘い、加害者側から金銭を受け取ることになった場合、気になるのが税金の問題です。

加害者から受け取った治療費、慰謝料及び損害賠償金等に、課税はされるのでしょうか。

結論から言うと、これらの損害賠償金等は「非課税」となります。

4.1 「心身に加えられた損害」に対する賠償金は、非課税として扱われる

損害賠償金等に関する情報

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国税庁のホームページによると、交通事故などのために、被害者が次のような治療費、慰謝料、損害賠償金などを受け取ったときは、これらの損害賠償金等は非課税となります。

具体的には、事故による負傷について受ける治療費や慰謝料、それに負傷して働けないことによる収益の補償をする損害賠償金などです。

ただし、治療費として受け取った金額は、医療費を補てんする金額であるため、医療費控除を受ける場合は、支払った医療費の金額から差し引くことになります。しかし、その医療費を補てんし、なお余りがあっても他の医療費から差し引く必要はありません。

また、事故による車両の破損について受ける損害賠償金など不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害について受ける損害賠償金なども同様に非課税になります。

これは、その損害賠償金が損害を補填することを目的としており、「所得」(利益)ではないとみなされるためです(所得税法第9条)。

しかしながら、賠償金や慰謝料という名目であっても、それが「利益(所得)」の性質を持つと判断される場合は課税対象となります。

同ホームページによると、非課税となる見舞金は、社会通念上それにふさわしい金額のものに限られるということです。

収入金額に代わる性質を持つものや役務の対価となる性質を持つものは、非課税所得から「除かれる」とされていますので、注意が必要です。

参考資料

髙橋 マナブ