2021年後半から続く物価高のなか、10月に再び半年ぶりの値上げラッシュを迎えました。帝国データバンク「『食品主要195社』価格改訂動向調査-2025年10月」によると、10月に値上げした飲食料品は計3024品目です。
生活費の増加によって思うように貯蓄ができず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、気になるみんなの貯蓄額を紹介します。貯蓄が4000万円以上の世帯割合や物価高での貯蓄方法も解説していきます。
1. 【平均貯蓄額一覧表】みんなの平均貯蓄額はいくら?
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年(令和6年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」をもとに、みんなの貯蓄額を紹介します。
1.1 全世帯を対象とした二人以上の世帯の貯蓄額
働いている人や年金受給者など、すべての世帯を対象とした場合、みんなの貯蓄額は以下のような分布となっています。
1.2 貯蓄額一覧表
- 平均値:1984万円
- 貯蓄保有世帯の中央値:1189万円
- 貯蓄現在高が「0」の世帯を含めた中央値:1099万円
- 100万円未満:10.2%
- 100~200万円未満:4.9%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:4.9%
- 400~500万円未満:4.0%
- 500~600万円未満:4.3%
- 600~700万円未満:3.9%
- 700~800万円未満:3.1%
- 800~900万円未満:3.3%
- 900~1000万円未満:2.8%
- 1000~1200万円未満:5.8%
- 1200~1400万円未満:4.5%
- 1400~1600万円未満:4.5%
- 1600~1800万円未満:3.0%
- 1800~2000万円未満:3.0%
- 2000~2500万円未満:6.7%
- 2500~3000万円未満:5.1%
- 3000~4000万円未満:7.2%
- 4000万円以上:13.9%
貯蓄額は平均1984万円ですが、全世帯の約3分の2(67%)は平均値を下回っています。100万円未満と4000万円以上の貯蓄を持つ世帯が10%以上と極端な差があります。
平均値は1984万円と高額な印象ですが、2000万円以上の貯蓄を持つ世帯が、平均値を引き上げていると言えるでしょう。
1.3 勤労者世帯を対象とした二人以上の世帯の貯蓄額
勤労者世帯に限った場合、貯蓄額はどのように変化するでしょうか。
1.4 働く世帯の平均貯蓄額
- 貯蓄保有世帯の中央値:1579万円
- 貯蓄保有世帯の中央値:947万円
- 貯蓄現在高が「0」の世帯を含めた中央値:885万円
- 100万円未満:11.1%
- 100~200万円未満:6.1%
- 200~300万円未満:6.2%
- 300~400万円未満:5.5%
- 400~500万円未満:4.6%
- 500~600万円未満:4.8%
- 600~700万円未満:4.8%
- 700~800万円未満:3.4%
- 800~900万円未満:3.5%
- 900~1000万円未満:3.0%
- 1000~1200万円未満:6.6%
- 1200~1400万円未満:4.5%
- 1400~1600万円未満:4.3%
- 1600~1800万円未満:3.0%
- 1800~2000万円未満:3.1%
- 2000~2500万円未満:6.2%
- 2500~3000万円未満:4.7%
- 3000~4000万円未満:5.7%
- 4000万円以上:9.0%
現役世代を中心とした勤労者世帯だけに注目すると、貯蓄額の平均値は1579万円です。全世帯と比較すると405万円の差があります。
また、貯蓄が2000万円以上の世帯に注目すると、全世帯を対象とした場合は32.9%でした。一方、勤労者世帯だけの場合は25.6%まで減少しています。背景には、教育資金やマイホームの購入などライフステージが影響していると考えられます。
2. 10%前後の人は貯蓄額が4000万円以上!平均年収はどれくらい?
前章で紹介したなかで、4000万円以上の貯蓄がある人は、全世帯の13.9%でした。勤労者世帯に絞ると、9.0%の世帯が該当しています。
ここで気になるのが「年収」です。毎月の貯蓄額は、一般的には手取りの10%程度が理想と言われています。貯蓄額が4000万円を超える世帯は、年収が高いのでしょうか。
全世帯を対象にした場合、4000万円以上の貯蓄がある世帯は年収791万円です。なお、勤労者世帯は年収1087万円と全世帯を大きく上回っています。
その他の推移をみても、貯蓄額と年収は必ずしも比例するとは限りません。一般家庭の平均年収であっても、適切な方法さえ見つかれば4000万円の貯蓄も夢ではないでしょう。
3. 無理なく効率よく貯蓄できる方法とは?
貯蓄は継続が大切です。そのためには、無理のない範囲で効率よく貯蓄する方法を探す必要があります。
貯蓄方法には、預貯金以外にもNISAやiDeCo、投資信託などさまざまな方法がありますが、まずは家計を振り返ってみましょう。無理なく継続できる貯蓄額は、毎月どれくらいかを知っておくと、効率よく貯蓄できるようになるのでおすすめです。
3.1 家計を見直す
ひと昔前は記述式だった家計簿ですが、近年は家計簿アプリを使って簡単に収支を把握できるようになりました。また、過去を振り返って支出の傾向や変動も確認できます。
入力するだけでなく、収支の推移を確認し、無駄な支出をチェックするのが家計簿の役割です。意外と多くの人が、家計を振り返ることなく入力するだけで満足してしまっています。
家計を見直すなら、固定費に注目してみましょう。
- 電気代
- 保険料
- 通信費やサブスク
電力会社や保障額の見直し、無駄なサブスクに費用がかかっていないかなどを見直すと、支出を減らせる可能性があります。
せっかく家計簿をつけているなら、家計のなかで見直せるポイントを探し、貯蓄に充てる費用を捻出してみましょう。
3.2 所得控除や非課税制度を活用する
間もなく始まる年末調整や確定申告で、所得控除を上手に活用すれば、貯蓄に充てる費用が浮く可能性があります。
また、運用益が非課税となるNISAを利用すれば、税金を気にすることなく効率よく貯蓄できます。
所得控除や非課税制度は、「知らなければ使えない」制度と言っても過言ではありません。
- 医療費控除
- 生命保険料控除
- 寄付金控除
- 小規模企業共済掛金等控除
- NISA
面倒に感じて申告しなければ、その分納税額は多くなり手取りは減ります。所得控除や非課税制度を適切に使い、手取り額を増やして安定した貯蓄を目指しましょう。
4. 目標の貯蓄額から逆算して毎月の貯蓄額を考えてみよう
4000万円の貯蓄をするためには、年収を増やすことも重要ですが、貯蓄に充てる費用を見つけることが欠かせません。
家計のなかから貯蓄額を決めにくいときは、目標額から逆算して、毎月必要な貯蓄額を計算してみる方法もあります。30年で4000万円を貯蓄する場合、毎月11万円を超える貯蓄が必要です。
しかし、運用しながら積み立てていけば、毎月の負担は減る可能性があり、効率よく貯蓄が可能です。ただし、資産運用にはリスクが伴います。
リスクとリターンを正しく理解し、目標を決めて運用や貯蓄を始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年(令和6年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)(二人以上の世帯)」貯蓄・純貯蓄・負債現在高階級別 第8-11表
児島 裕子
