退職後の人生を迎えると、多くの方が経済的な不安と向き合うことになります。60歳を過ぎて現役を引退すると、一般的に収入が減少することにより毎月の収支がマイナスに傾きがちです。

その不足分を補うために、長年かけて築いてきた預貯金を取り崩すことは、多くのシニア世代にとって避けられない現実となっています。

内閣府が実施した最新の高齢社会対策総合調査によれば、60歳以上の方の61.2%が「日常生活の支出のために預貯金を取り崩している」と回答しています。

この結果からも、シニア世代の生活を支える柱として、年金収入と並んで預貯金の計画的な活用が不可欠であることが明らかです。

11月は、年末に向けて家計を見直す絶好のタイミング。冬支度や年賀状の準備など出費が増える季節だからこそ、老後資金の使い方を考えておきたいものです。

そこで本記事では、60歳からの預貯金・年金収入別の資金取り崩しシミュレーションを、具体的な2つのケースを用いてご紹介します。

このシミュレーションを通じて、ご自身の資産状況に合わせた長期的な資金計画を立てるためのヒントを見つけていただければ幸いです。