秋も深まり、もうすぐ11月を迎えようとしています。10月15日には、2ヶ月に一度の年金が支給されました。
老後の生活を支える重要な柱である公的年金ですが、その受給額は現役時代の働き方や加入実績によって個人差が生じます。
この記事では、現在のシニア世代が受け取る厚生年金と国民年金の平均月額について、最新データをもとに詳しく解説します。最高受給額はいくらなのか、また現役時代のキャリアが将来の年金収入にどう影響するのかも見ていきましょう。
1. 日本の公的年金制度の基本構造
日本の公的年金制度は、老齢年金だけでなく、病気やケガによって生活や仕事が制限された場合に受け取れる「障害年金」、そして家計を支える人に万一のことがあった場合に家族が受給できる「遺族年金」という3つの保障機能を備えています。
一般的に「年金」と聞くと、多くの人がリタイア後に受け取る「老齢年金」を思い浮かべるかもしれません。
1.1 国民年金と厚生年金から成る「2階建て」の仕組み
この制度は「2階建て構造」として知られており、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」と、2階部分の「厚生年金」で構成されています。そのため、現役時代の働き方が将来受け取る年金額に大きく影響する仕組みです。
ここでは、「国民年金」と「厚生年金」の基本的な仕組みと、それぞれの「老齢年金」の受給額について確認します。
1.2 1階部分:国民年金(基礎年金)の概要
加入対象
- 原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人(職業や国籍は問われません)
保険料
- 加入者全員が同じ金額を納付しますが、年度ごとに改定されます(※1)
老齢基礎年金の受給額
- 保険料を40年間(480ヶ月)すべて納付した場合、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取れます(※2)
※1:2025年度の国民年金保険料は月額1万7510円です。
※2:2025年度における国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額6万9308円です。
1.3 2階部分:厚生年金の概要
加入対象
- 会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所(※3)に勤務し、一定の要件を満たす人(国民年金に上乗せして加入)
保険料
- 収入に応じて保険料が変動します(上限額あり)(※4)
老齢厚生年金の受給額
- 加入していた期間や納めた保険料の額によって、個人ごとに異なります
このように、国民年金と厚生年金では加入対象者や保険料の決定方法、老齢年金の計算方法が異なります。
このため、現役時代の年金加入履歴によって、実際に受け取る老齢年金の額には個人差が生まれるのです。
※3 特定適用事業所:厚生年金保険の被保険者数が1年のうち6ヶ月以上、51人以上となる見込みの企業などを指します(短時間労働者や共済組合員は含みません)。
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて算出されます。
1.4 2025年度の年金支給日カレンダー
公的年金は、原則として偶数月の15日(※5)に、直前の2ヶ月分がまとめて支給される後払い方式です。
2025年度の年金支給日と支給対象月は以下の通りです。
- 2025年6月13日(金):4月・5月分
- 2025年8月15日(金):6月・7月分
- 2025年10月15日(水):8月・9月分
- 2025年12月15日(月):10月・11月分
- 2026年2月13日(金):12月・1月分
- 2026年4月15日(水):2月・3月分
※5:支給日の15日が土日や祝日にあたる場合は、その直前の平日に前倒しで支給されます。
