2025年10月に発売されたプルガティオ株式会社の空調家電「moya(モヤ)」がひそかに注目を集めています。ユニークなのが、「水だけでウイルスを99.9%減少させる」というアプローチです。
「本当に水だけでそんなことができるの?」「加湿器として実用性があるの?」という疑問を解消するために、実際にレビューして分かったポイントをレポートします。
ウイルス対策の新しいアプローチになりそうな、プルガティオの空調家電「moya(モヤ)」をレビュー1/8
出所:プルガティオ株式会社
1. 【moyaレビュー】moyaを開発したプルガディオとは?
moyaのことを紹介する前に、まずは開発元であるプルガディオについて、説明します。
同社は19年に設立した日本のスタートアップ企業で、ウイルス・菌・カビに対応する空間技術の開発や関連製品の販売などを行っています。20年から展開している噴霧装置は累計で約1万3000台を販売するなど、研究力を武器に実績を積み重ねています。
創業者である森久康彦代表取締役は、もともとスタイリッシュな空調家電が人気のカドーの取締役で、この分野における知見に明るい人物です。スタートアップながら、土台の部分はしっかりとしたメーカーです。
2. 【moyaレビュー】世界初のアプローチを採用した新しいカテゴリーの製品
moyaの基本的な仕組みは、一般的な加湿器と変わりません。ただ、製品の根幹である「純粋のみで空気中のウイルスを減少させる」というアプローチは世界初のもので、それゆえに同社はmoyaをこれまでになかった「ウイルスリデューサー」というカテゴリーで定義しています。
ユーザー視点では少しややこしいので、「ウイルス除去性能にすぐれた加湿器」と理解しても大きな問題はないかと思います。ちなみにmoya(モヤ)という名称は、本体が発する「もや」のような独特な空気から命名したそうです。
公式サイトのメインビジュアル。「moya」という名称は本体の発する「もや」のような空気から命名2/8
出所:プルガティオ株式会社
3. 【moyaレビュー】「純水」でウイルスを除去することは可能?
moyaの最大のユニークポイントは「純水でウイルスを99.9%減少させる」ということに尽きます。「純水」という言葉はあまり聞き慣れないかと思いますが、これは水道水に含まれている塩類やカルシウムなどの不純物をほとんど取り除いた純度の高い水を指します。
moyaが空気をキレイにするウイルスリダクションシステムのフローは以下の通りです。
- (1)普通の水道水から不純物を取り除いて純水にする
- (2)ミストを発生させ、その中から粒子の小さいミストだけを取り出し放出する
- (3)ナノミストをウイルスに付着させ、不活化する
moyaが純水でウイルスを除去するプロセス3/8
出所:プルガティオ株式会社
ユーザーが用意するのは普通の水道水でよいので、本記事では「水だけでウイルス除去」と記載していますが、プロセスとしては(1)で普通の水道水から不純物を取り除くという工程があります。
純水の生成はmoyaのキーテクノロジーのひとつで、特許技術も使われている他社が容易にはマネできない仕組みになっています。
生成した純水は次に(2)の工程に進み、ミスト化→特に小さいミスト(ナノミスト)の抽出という作業が行われます。このミストのフィルタリングもmoyaが突き詰めたキーテクノロジーのひとつです。
「水だけでウイルス除去」というとちょっと怪しげな印象を受けますが、仕組みを理解すると、実際はいろいろな手が加えられた上で、ウイルスを除去する状況を作り出しているということをお分かりいただけるかと思います。
ちなみに、ウイルスの減少に関しては、大手建設会社である安藤ハザマの技術研究所との共同研究でエビデンスも提示されており、信頼性の高いものとなっています。
安藤ハザマ技術研究所との共同研究で示されているエビデンス4/8
出所:プルガティオ株式会社
4. 【moyaレビュー】使って分かった加湿器としての優秀さ
ここからは筆者宅で数週間、moyaを試してみて分かったポイントを紹介していきます。
moyaには加湿適用面積が「~21平方メートル(プレハブ洋室13畳)/~13平方メートル(木造和室8畳)」の「moya Craft」と「~74平方メートル(プレハブ洋室44畳)/~44平方メートル(木造和室27畳)」の「moya Ultra」がありますが、レビューしたのはmoya Craftです。
筆者がレビューしたのは「moya Craft」(左)5/8
出所:プルガティオ株式会社
4.1 ナノミストの恩恵が大きい!
moyaから放出されるミストがナノミストという細かい粒子であることは説明した通りですが、これがウイルス除去以外の観点でも大きな恩恵があります。
まず、細かい粒子のミストは質量の軽さから浮遊しやすいという性質があるため、部屋全体に均一に行き渡りやすいです。加湿量が450ml/時間とパワフルということもあり、最適な湿度の室内環境を短時間で整えることができます。
また、ナノミストは結露になりにくいという性質もあるため、窓際に置いたり、家電製品があったりしても、水滴がつきにくいというのも、うれしいポイントです。
ナノミストには結露になりにくいという性質がある6/8
筆者撮影
4.2 専用アプリで最適な運用ができる
moya Craftは全体がステンレス製の円柱形状をしており、インターフェースは電源スイッチのみです。操作や設定は専用アプリから行うのですが、これが非常に細かい部分までコントロールすることができて、便利だと感じました。
アプリでできるのは下記の機能です。
- 使用する部屋の広さ登録
- モード切り替え(手動モード・ウイルスリダクションモード・ウイルスリダクション+加湿モード)
- 本体LEDライトのON/OFF
- スケジュール設定(曜日・時間)
- 設定の初期化
スケジュール設定は細かく設定できるので、在宅時間だけ付けておくといった無駄のない運用を自動化することも可能です。直観的に操作できるUI設計も好印象でした。
専用アプリはコントロールしやすく、細かい設定も可能7/8
出所:プルガティオ株式会社
4.3 準備やメンテナンスが楽
ウイルスを減少させるメカニズム自体は複雑なmoyaですが、準備やメンテナンスはシンプルです。水は上部から投入しますが、口が広いのでペットボトルや鍋で豪快に流し込むことができます。薬剤などを使用しないので、内部が汚れにくいのもメリットです。
内部の水を抜きたいときは、底部に水抜き用の穴があるので、そこから排水します。内部のパーツはすべて取り出すことができ、スケルトンなので汚れの状態を確認しやすく、メンテナンスも楽でした。
内部パーツは簡単に取り出すことができ、スケルトンなので汚れの確認もしやすい8/8
筆者撮影
5. 【moyaレビュー】今冬の加湿器カテゴリーでダークホースになるかも
ウイルス除去自体の性能については、個人宅では実証することが難しく、自信を持っておすすめできる…とまでは言い切れないのですが、「ナノミストの性質や加湿器としての優秀さを考慮すると、期待はできるのではないか」というのが筆者の現時点の結論です。
最適な湿度をキープできれば、それだけウイルスは繁殖しにくくなります。言及しきれませんでしたが、ナノミストには微細なホコリに付着して落下させる効果や肌の奥にまで浸み込んで乾燥しにくくする効果もあるので、重層的にウイルスに対抗することができます。
新しいタイプの製品なので、1シーズンを通して使ってみて分かることも多そうですが、インテリアによく馴染むデザインも含めて、個人的には今冬の加湿器カテゴリーでダークホースになるのではないかと予感しています。健康のために理想の室内環境を構築したいという方はぜひチェックしてみてください。
参考資料
大蔵 大輔