2. 2025年度の年金額、1.9%増額でも実質目減り

年金額は3年連続して引き上げられており、2025年度(令和7年度)は前年度比で1.9%増額となりました。2025年度の年金月額の例は以下のとおりです。

  • 国民年金(老齢基礎年金・満額/1人分):6万9308円(+1308円)
  • 厚生年金(夫婦2人分):23万2784円(+4412円)

年金が増えること自体は喜ばしいことですが、この改定率には注意が必要です。

年金は物価や賃金の動向を鑑みて毎年改定されていますが、物価や賃金の上昇と比較すると、年金の伸びは抑制される仕組みになっています。

物価上昇が年金増額のペースを上回れば、実際に購入できる商品やサービスの量は減ってしまいます。

つまり、数字上では増えているにもかかわらず、暮らし向きはむしろ厳しくなる「実質的な目減り」が起きていることになります。