11月に入り、年末に向けて家計の見直しを考える方も多いのではないでしょうか。今年は物価高の影響で、食費や光熱費など日常の支出がじわじわと増えています。そんな中、年金生活者にとって心強い支援策があるのをご存じでしょうか。

国が用意している制度の中には、申請しないともらえないお金があり、その一つが「年金生活者支援給付金」です。

対象となる方は、条件を満たしていれば毎月の年金に加えて給付金を受け取ることができます。

生活費の負担を少しでも軽くするために、制度を正しく理解し、忘れずに申請することが大切です。今回は「年金生活者支援給付金」について解説していきます。

1. 「年金生活者支援給付金」ってどんな制度?

基礎年金を受給中の人で、所得が一定要件を満たす場合、「年金生活者支援給付金」を受け取ることができます。

「年金生活者支援給付金」は、「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類です。

1.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件《対象となるのはどんな人?》

老齢年金生活者支援給付金の支給要件

老齢年金生活者支援給付金の支給要件

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」

老齢年金生活者支援給付金は、下記の支給要件をすべて満たす方が支給対象となります。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※2)である。

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で809,000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される

1.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件《対象となるのはどんな人?》

障害年金生活者支援給付金の支給要件

障害年金生活者支援給付金の支給要件

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」

障害年金生活者支援給付金は、下記の支給要件をすべて満たす方が支給対象となります。

  • 障害基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下(扶養親族等の数に応じて増額)

※ 障害年金等の非課税収入は除く

1.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件《対象となるのはどんな人?》

遺族年金生活者支援給付金の支給要件

遺族年金生活者支援給付金の支給要件

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」

遺族年金生活者支援給付金は、下記の支給要件をすべて満たす方が支給対象となります。

  • 遺族基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下(扶養親族等の数に応じて増額)

※ 遺族年金等の非課税収入は除く

「年金生活者支援給付金」の支給要件には、いずれの場合も前年の所得額が関わっています。